NEW ALBUM(新音源)がリリースされるまで
2020年リリースの2ndアルバム「Reprogramming」は2ケ月の創作期間を経て、3ケ月目にレコーディングを終え、4ケ月目にミックスマスタリングとアートワークと工場へのCDプレスまでという我々にとっては究極の速さで制作しました(結果的にはそれが功を奏しました)
しかもこのアルバムはセルフプロデュース(セルフレーベルリリース)だったのでISRC等著作権登録から日本レコード会社の会員になったり、iTuneストリーミング登録や、CDDB登録からMVの制作、流通の契約までを全て自分で一通りの手配&登録だったので完徹の日々でフラフラでしたが笑
ただ現代において音源がリリースされるまでの「すべての流れ」、つまり創作から著作権登録からストリーミング登録からCDプレスからシャツ制作からリリースまでの全てを一気通貫で自分で理解しながらやれたことは大きかったですね
ただ、これは超速すぎの部類だと思います
これだけのスピード感でアクションできた背景(理由)としては、数十年ぶりの楽曲創作ということもあり、意気込み過ぎて溢れるアイデアが一気に放出、それこと無我夢中でしたし、だからこそこのスピード感で成せたものだと思います
そして2023年リリースの3rdアルバム「Chaotic Diffusion」については創作期間が約3か月(ただし日頃から年中アイデアを貯め続けています)、4か月目にレコーディング(ドラムが約1週間、ギター&ベースが数日、ボーカルが数日の期間)、その後ミックスマスタリングのやりとりでDDPマスター納品まで+約1か月(海外エンジニアとのやりとり込み)
そこから今度はレーベル契約交渉等で「+数か月」
そして無事にCDやシャツなどが工場から出荷されリリースライブを行えるという塩梅です
結果的に約8-10か月の期間を要した感じです
そして、、、
2024年7月現在、新作を創作中です。ですが国内ライブの準備や海外遠征も控えている状況下、日々頭の中が混乱しがちですが、そこを冷静にコントロールしながらコツコツ創り上げています
構想と希望的観測ですが秋ごろにレコーディング開始し、年明け(2025年)から春にかけてリリースできればというイメージをしています
こういう風に考えるとバンドって「いかに時間を作れるか」です
日頃の生活をしながらライブを行い、海外まで遠征したり、それらも準備がいりますし、それでいて日々創作を怠らず、創作できたらが今度はレコーディングスケジュールを立て、実際にレコーディングをし、更にレーベル契約交渉、晴れて音源がプレスされたら今度はリリースパーティやメディアプロモーションやライブツアーの手配も怠らず同時進行していくという
我々の様なマイナー規模のバンドですらつまりは365日がずっと音楽漬けです
ただ、幸いにも所属レーベルがあるのである程度の事(CDプレス、リリースステートメント、マーチ制作etc)はレコード会社の方でサポートを受けることができますが、とはいえ元のアイデアも含め基本は全て自力創作になります
バンド内にはマネージャーというか「バンドの頭脳」としてしっかりスケジュール管理をし、かつ確実に諸々を手配できる人がいた方が良いでしょう
逆にそういうマネージャー的な事ができないと進行が崩れる場合も
更には口酸っぱくこれまでに述べてきていますが「言語(外国語)」はやはり出来た方が良いでしょう、そもそも海外でのレコーディングや海外レーベルとのやりとりの場合、外国語が出来ないと交渉すら出来なくなりますので土俵にすら上がれない状況にも
以上より「1枚のアルバム(音源)がリリースされるまで」のプロセスは実は水面下ではさまざまなやりとりがあったり、その途中では苦しみも含め難産しながら、ようやく世に出ています
今後ともサポート宜しくお願いします!笑
方向性
方向性について2つの面から考えてみます
まず1つ目が「音楽の方向性」
例えばメタリカ。当初はバリバリのスラッシュメタルで「キルエムオール・アルバム」からスタートし、後にはヘヴィロックの「ブラック・アルバム」へと変遷していきましたよね。それでも音楽性が変わる時に「俺はもっと激しいスラッシュメタルがやりたいからバンドを去る」というような出来事が起きていません。メンバー全員が納得しているのか、商業的に成功したので音楽で飯が食えるから統率者の言うがままにやっていこうと思ったのかは分かりませんが。ただスレイヤーの場合。ケリーキングさんはまだまだやりたい様ですがトムアラヤさんは引退選択で結果解散しましたよね、内部的に方向性の違和感がそうなったのでしょうか
そして我々サブコンシャステラーの場合
我々は源流が「激しい」「速い」の2点。ここが崩れることは無いです
音階的にはメタル系由来(初期スラッシュメタル)なのでハードコアやグラインドコア系エッセンスからの音階は少ないですがそれでも聞いてきていますし今後そういった曲があっても良いと思っています、両者ともに「激しい」「速い」の共通項がありますしね
そして2つ目が「活動規模拡大に対する方向性」
デスメタルバンドの様なマイナー音楽はどうしても市場規模的にも参入障壁が高いですし商業的に成功するというのは流石に難しいでしょう
(参考)このジャンルでは世界的な成功を収めたと言えそうなスラッシュメタルバンド、エクソダスのメンバーインタビュー→ https://amass.jp/176750/
そこをどう捉えるかですが、この部分は否応が無しに現実と照らし合わせながら俯瞰しつつ活動する感じでしょうか
ここではあくまで我々の場合を以下に述べていきます
結論は「やるべきことをしっかりやり切る」です
「大好きな音楽人生を悔いの無いようにやり切る」、それだけです
例えば音源を出す、ツアーをする、好きなバンドと対バンする、理想のレーベルからリリースする、海外でライブをする、メタルフェスに出演する、そして何より「共感くださる方(ファン)と共有する」等々、バンド毎に規模の大小を含め何かしらの理想はあると思います
急がば回れでは無いですが着実にそれらを1つづつ実現していくこと
実はそれらはどこまでいっても自己満足が到達点であるとも思っているのですが、でもそれこそが「音楽人生をやり切った」と捉えています
ガチで楽器をやっているプレイヤーならば、個々のスタイルや理想はあれども上記に挙げた様な中で自身の音楽人生の中で達成していきたいと思うようなことが内心はきっとあるのではないでしょうか?
漫画のワンピースを例に。麦わら海賊団のメンバーは各々の夢や理想を叶える為に一緒に活動していますよね、バンドの活動方向性も正に類似していると思います
やはり同志が集まることが一番ですし、その中でもリーダーはその各人の理想を叶える軌道を作りつつ全員が満足していけるような航海を目指していけることが理想でしょうね
なんだか、今回は綺麗ごとで良いことばかり書きましたが(笑)とにかく音楽については日々考え抜いて「やるべきことをやり切る」(好きな音楽活動に悔いを残さない)に尽きると思います
作曲に向いている人?
自身の作曲手法が独特なのか、他の方が普段どのように作曲活動をしているのか分かりませんが、主題について書いてみます
ネットで見る範囲だと例えばノートに「イントロAx4小節→Bメロx4小節→Cサビx4小節→ソロx4小節→Bメロx4・・・」の様に書き込んで構成を練る??的な事があったり
でも、自身は全くそのようには創っていないです
なにせ学生時代の「何もないところから作曲をスタートした」こともあるでしょう。作曲手法も何も習った事も無い、全てが手探りでの創作ですからね(笑)
「できたものができたもの」になっていますのでむしろ小節数はあとから感じることになります
基本は思い付いた時に一気に一筆書きか、普段から貯めている音階をアレンジしながら紡いで行くかです
ですのでノートに規則正しく「列をなしていく」ような感じにはならないです
結果的に「変な小節数」だったり「一度だけしか出現しない音階」も我々にとっては自然なことになります
これの良し悪しはどうなのか分かりませんが「瞬間芸的な思い付き」が基本なので二度と同じようには創れない曲群に
ふと、、作曲手法についても学んだ方が良いのかどうかを迷う時もあるのですが、やはり型にはまった創作は自身には向いてなさそうです
とはいえ苦しむときもあるんですよね、納得行かない瞬間等で
そういったタイミングでは日を置いて気分転換するときもありますし躓くくらいなら思い切ってバサッと消してしまいリセットしてその後にやり直す時もあります
これを苦悩というのかどうか分かりませんが、そうやって追い込めば追い込む程にむしろやる気がでてきます
ひょっとしたらグサグサとナイフで自分を刺していく様な追い込み方が好きなのかもしれません
ただデメリットとしては妥協が難しく白紙に戻したりする創曲も数々
それでも次の日にはまた創作に向かうという(笑)
向いているのか向いてないのか分かりませんがそれでも創作が一番楽しくて生涯のやりがいの1つになっています
唯一、反省しているのがドラムが叩ければよかったなと。普段音楽を聴くときはドラムメインではありますがやはり実際に叩けた方が幅が拡がると思っています
作詞・作曲・ギター・ベースまでは何とかなってもドラムパターンは本当に難しいです
ドラムもアイデアが必要。できるだけ単調にならないように気を付けてはいますが本来はもっとドラムでもトリックが使えるはずなのです
基本、プリプロダクション時は全パートを創作するので実際のレコーディング時はカレントメンバーの個性アレンジに頼ることになりますが、頼もしいメンバーがいつも助けてくれています
ということで、もう少ししたらまたレコーディングが始まります
ご期待くださいませ
バンドロゴの変遷(SUBCONSCIOUS TERRORロゴ)
今回は「SUBCONSCIOUS TERROR」のバンドロゴについて振り返ってみます
先ずは結成1994年当時のロゴです↓
↑1994年10月リリースの1stデモテープ「Subconscious Terror Vol.1」のカセットテープの表紙
当時はボールペンでの手書きです。アングラ感が漂っていますね
そして翌1995年のロゴはこちらです↓
↑これは1995年5月リリースの2ndデモ「Entropy」のカセットテープの表紙です。こちらも手書きではありますがシャープになってきています
当時はステッカーもつくりました↓
そして1996年5月リリースの1stフルアルバムCD「Invisible」でのロゴがこちら↓
パソコンで作っていてちょっとモコモコとしていますが立体感があります↑
そして2019年秋、再立ち上げ時のロゴがこちらです↓
シャープさとドロドロさが出ていますね
この時にバックドロップ(ライブ時に後ろ壁に掛けるロゴ幕)も作りました↓
そして2020年3月リリースの2ndフルアルバム「Reprogramming」リリース時のロゴがこちら↓
スッキリと洗練された感があります↑
以降、2023年7月リリースの「Chaotic Diffusion」も引き継いでいます↓
このように進化変遷はありますがトレードマークですので基本不変ですが、しいて言うならば90年代のロゴはSubconsciousの「i」の字の上に「血走る眼」がついていました。1995年のデモテープのロゴを見ると分かりやすいと思います。将来いつかのタイミングでさせたいですね
その「眼」ですが実は1996年5月リリースの1stフルアルバムCD「Invisible」の裏表紙には正にこの「i」の眼の部分をアルバム曲名のリストの上に大きくデザインしています↓
このようにバンドロゴを見ていくだけでもそのバンドの歴史が垣間見えますし、古いバンドならば手書きからデジタルへの変遷もそうですし当時の意図もそうですしロゴには大変興味深いものがあります
皆さんの好きなバンドのロゴを追ってみるのも楽しいかもしれませんね
ライブ会場までの楽器運搬について
我々はメンバーが全員遠隔地在住というのもありますが基本的にはライブ会場への移動は新幹線や飛行機の利用が主要になります
機材の運搬はバンドマンにとって常日頃の課題。運搬疲労も考慮するとできるだけ少ない量でかつ軽量、その上でとにもかくにも最高のライブサウンドを目指すというハードルがあります
今回はギターの場合を例に運搬手法を綴ってみます
<運搬機材>
(1)ギターを入れるセミハードケース(国内用)
(2)リュックサック(防水・2層分岐)
(3)マーチ用(CDやシャツやバックドロップ)スーツケース
この3つになります
(1)はギターそのものですから省略しますが注目すべきは(2)です
このリュックの中になんと「大出力ギターアンプヘッド」「エフェクターボード」「シールドやピックや弦など等の小物類」一式が全て入っています
構造的には2層分岐された大きなスペースのあるリュックで更には周りにも幾つかのポケットが付いています
以下で詳細を確認していきます
写真は2層に分岐された上層部ですがなんとギターアンプ(白い筐体)が入っていて更にエフェクターボード(Mooer社のペダルボードに組み込み固定した状態です)も入っています
ちなみにこの写真の右上に映っているTascamはICレコーダーです。こちらも優れもので会場PAさんにライン録りをお願いしたり、さもなくば現場で直接Recボタンを押せば録音レコーダーですからライブ演奏を録ったりできる非常に便利な機材(更にはのちにwavデータで取り出せます)
そしてリュックの下の層にはシールド(ケーブル)類を入れています。背負ったときに背中への緩衝材的な役割も果たしてくれるので身体への運搬負担も減ります
以前、運搬方法を構築する際に試験的にカートを引いて行ったりしたこともあるのですが、新幹線の改札通過時等を含めどうにかして身軽に移動する方法はないかと行き着いたのが上記の方法です
なおスタジオでのバンド練習の際はマーチ用スーツケースは不要ですのでこのリュックとギターのみで楽々移動が可能となります
この進化版になりますが現在はライブ時はこのリュックをマーチ用スーツケースに入れてしまいます
そうすることでギターは背中に担ぎ、あとはスーツケースを1つ転がすだけで全機材を持ち込んだ状態で楽に移動が出来ます
ビックリするかもしれませんがこのギターアンプヘッドはなんと重量が3.6kgです(型式はヤマハTHR100H。現在は入手が難しくなっているかもですが)
ギターアンプヘッドとしては破格な軽量です。それでいて大出力100Wパワー・プリアンプ(外形寸法は長辺約45cmx短辺約25cmx高さ約10cm)
ですので会場やスタジオではスピーカーキャビネットさえお借りできればOK(有難くも殆どの場所で備え付けがあります)
ギターサウンドの源流となるアンプヘッドが持ち込みなのでいつも通りの音作りをほぼ再現可能な上に移動疲労も軽減され、機材がシンプルなのでセッティングも速いという
以上、参考になれば幸いです
(余談)ワイヤレス・インイヤーモニターも念のために持って行っていますが近年は小さくて手頃で性能の良いものが沢山出ていますね、こちらを使用しています
型式はXvive-XV-U4。右上の細長い部品をアンプに挿します。そして左上の部品はイヤフォンを付けて腰回りに付けるのですが、この二つの部品の電源を入れて周波数を合わせる(オート機能)ことでイヤフォンから直接耳にギターの音が聞こえるようになります
これも色々研究といいますか、では「ギターボーカルの場合はどうすればよいのだろう」と沢山試してきていて現状の結論は「片耳のみをギター・イヤモニする」(片耳のみギターの音を直接聞く)でした
というのが、両耳にイヤフォンを挿してギターの音を聞くと今度はボーカル(自分の発声状況)が分かりずらくなる傾向に
なので「足元のモニタースピーカーではボーカルのみを返し」、「ギターはイヤモニで聞く」という分離にしています
このメリットですが、ボーカルはギターアンプから離れた立ち位置になり易いので懸念されるギターの音が耳に聞こえてくるまでの距離感、つまりレイテンシー(遅れ)を含め、このやり方でかなり改善されたような気がしています
理想を目指しての試行錯誤が続きますね
英詞について
ネイティブではない純日本人が英語の歌詞で音楽を創作すること
エクストリームメタルジャンルを聴き始めた当初から、このジャンルにおいては音楽性的に英詞がフィットすると感じ一貫してそうしてきています。もしかしたら日本語でも良いのかもしれませんが表現方法は各バンド各様で我々にとってはこれがフィットしているとしてずっとそうしてきています
ということで今回は英語で創る歌詞について掘り下げてみます
我々の歌詞はSubconscious Terrorというバンド名の通り(和名にすると「潜在意識の恐怖」)潜在的に感じていることを比喩や皮肉めいた内容も含めかなり刺激的に描いてきています。逆説的になりますが日本語のままだと刺激がキツ過ぎてむしろ英詞で良かったとも思っています
歌詞を創作する際は日本語で書いています。その後に英語に直すのですがネイティブでは無いですし自分で英語にしたものを、しかるべき部門(通訳会社)を通してチェック&修正依頼をしています。その後、更に歌詞の内容に沿った専門分野のネイティブスピーカー(科学なら科学分野、医学なら医学分野のネイティブスピーカー)へ二重チェックと修正依頼を掛けています(→2ndアルバム「Reprogramming」&3rdアルバム「Chaotic Diffusion」)
ただ「日本人による日本語で書いた歌詞」→「通訳会社による翻訳英語」→「専門分野のネイティブスピーカーによる翻訳英語」という三段階の流れなので本来の意思が本当に反映されているのかどうかを判断するのが難しいところもあります。この部分はいつも苦労しています。ちなみに当方、英語ではないのですが某第三言語が通訳レベル話者。現地の大学に通いその後、現地法人会社まで立ち上げて約十年を現地在住。実際に通訳業務も多数経験しましたが、ただそれでも通訳をする際はやはり通訳者の思想や生まれ育った環境や普段の生活で使用頻度の高い言葉や、理解の捉え方も含んだ訳し方になります。誰もがそのはずです。歌詞についてはそこが難しいところですよね。つまりAさんが通訳するのとBさんが通訳するのではやっぱり言い回しは違うわけです。これは我々日本人も同じ。日本語の話し方や伝え方は生まれ育った環境や普段の生活で使う言い回しだったりが多いですし言語化能力も人それぞれです。なのでやはり通訳者による通訳も各様の訳し方になります。IQが高い人の通訳とその逆で全然異なる内容になる(むしろ誤解)ことも
幸い我々のやっているデスメタルジャンルはヴォイスも楽器の括りとして音楽全体で理解される傾向にあります。実際にアメリカやイギリスなどのネイティブ話者のデスメタルバンドですら全く英語になっていない、いわゆる曲調に合わせて韻を踏むように吠えている「楽器としてのボーカル」というバンドも多いですし、どう聞いてもその単語を発声してはいないだろうと思えるようなネイティブスピーカーのデスメタルバンドも多いです。やはり「デスメタル・ヴォイス」自体、音楽的要素が高いのでしょう
翻訳の話に戻りますが、現在はChat GPT全盛。もはや日本語の歌詞を英語に訳す際は先述の様な複数のネイティブスピーカーを通して何段階も修正していく様なプロセスを踏まずともChatGPTで事足りるのかもしれません。Chat GPTを使えば翻訳前に日本語でニュアンスも補足で伝えつつ修正していけますしね
AIの話が出たので(横道に逸れてしまいますが)音楽創作自体もAI創作楽曲が多数出てきています。「音楽家の仕事を奪う」なんて危惧する声も聞きますが、むしろ逆に将来は「人間味のある音楽が更に希少価値の高い想像/創作音楽」になっていくとも考えています。当の我々は「創作することを楽しみたい人種」なのでAIを使って創作することは無いわけですしね
そしてライブ演奏、人間が奏でる「生演奏」を更に大事にしていきたいです
その都度その場所で1回きりとなる「生音楽」を浴びるライブ体験
ライブでは「創る時の感情」と「それを実際に奏でる時の感情」差異を埋めるべく創作音源のイメージ全体を表現することを常に想像しながら当日は無意識の中(眼は開けているけど脳内で演奏)でやっています
ライブ会場でお待ちしています
レコーディング手法
昨年(2023年)リリースの3rdアルバム『Chaotic Diffusion』に引き続き今年(2024年)もレコーディングの予定があります
ということで今回は我々のレコーディング手法について
以下のリンクを見ればレコーディングのやり方が一目瞭然だと思う程に素晴らしいガイドラインがあるので先ずは添付します
https://www.manarecording.com/Mana%20Recording-Mixing%20Requirements.pdf
上記はフロリダ州のマナ・レコーディング・スタジオのミックス・マスタリング依頼時のガイドラインです
サブコンシャステラーはこのガイドラインに沿ってレコーディングを行っています。理由は、そうすることで恐らく世界中のどのミックスエンジニア氏に依頼することになっても問題なく対応していただけると考えているからです
このスタジオはご存じ、メタルプロデューサーのエリック・ルタン(現カニバルコープス、ヘイトエターナルメンバー)が経営するあのMANA Recording Studioです。そのスタジオHP上でミックス依頼時に「バンド側に守ってほしいルール」、ガイドラインを作成公開しています
実際にマナレコーディングスタジオ(エリック・ルタン氏)と何度かやり取りさせて頂いていて結果的に『Chaotic Diffusion』アルバムレコーディング時はタイミングが合わず(エリック・ルタン氏にミックスをやって頂くとなるとだいぶ先までスケジュールが詰まっており順番待ち状態で我々は早く出したかったのもあり)で依頼まで行きませんでしたが、このガイドラインは本当によくできています(おそらく長年に渡り沢山のミックス時の相互トラブルを解決してきた産物だと思われます)
このガイドライン、日本語版で作成し国内のミックス・マスタリング・スタジオさんが「ミックス依頼時のファイル提出方法」として掲載するのも良さそうですよね。相互(バンド側、エンジニア側)がスムーズにミックスが行えるのではと思います。そのくらい完璧な内容でよくできています
ですのでバンドがミックスマスタリングを依頼する際は上記ガイドラインに沿ってレコーディングしていけば間違いないでしょう
以下は我々のメンバー毎に録音したファイルをマスターデータとしてエンジニア氏に送る際のケースです
ボーカル/Dry wavデータ
ギター/Dry wavデータ
ベース/Dry wavデータ
ドラム/MIDIデータ
SE/オーディオデータ(SEも自作しています)
そしてエンジニア氏へはイメージが掴みやすい様、2mix wet wavでざっくりとした全体音源も送ります
もっというと、依頼したいエンジニア氏へは「ミックス前のざっくりとした全体音源を送り事前に聞いて頂いて「どうしても貴方にミックスして頂きたい」という旨、一種のラブレターも書くと良いでしょう、我々はそうしました
というのが海外の有名エンジニア氏の場合、国も異なれば言語も異なるだけではなく、その方のワールドワイドな実績や立場もありますし我々の様な規模の小さなバンドが依頼するとなると。更にはそれ以前の話として「気に入って貰えるかどうか」、「このバンドのミックスをしたいと思って下さるか」のお伺い的な判断を頂く事も事前に憂慮することで上手くいく可能性が高まると思います
なお、我々のミックス依頼時に送付する添付ファイルは24bit、48kHz、ドラムマップ、00:00:00スタートでの録音したデータ、そしてミックス前の全体イメージ音源です
前作アルバム『Chaotic Diffusion』も上記手法で、依頼させて頂いたエンジニア氏はアメリカのZack Ohren氏。Suffocation、Immolation、Machine Head、Decrepit Birth作品等のミックスを手掛けたメタル界巨匠のひとりです
ミックス前の音源をお送りしたところ非常に気に入って下さりありがたくも引き受けて下さり全面サポートを受けました
そのザックさんとのやりとりですが、最終のDDPマスター(※)の納品まで一貫してとてもスマートで流石といいますか気持ち良いくらいに対応が素晴らしく「The 仕事人」な方でした。結果として我々にとっても過去アルバムと一線を画すようなブルータルな音質となっています
※DDPマスター…CDプレスを行うために必要な音声、映像またISRCやPQ情報などの各要素が定義可能なファイルタイプのマスター
逆に96年リリースの1stアルバム「Invisible」はアンプ、ドラムにマイクを立てての「マイク録音」でした。しかもほぼ一発録りです。更にはパンチインパンチアウトの様な途中からやり直したりする様な事も殆ど無い「イントロから最後まで一気に駆け抜く一筆書き」の様なレコーディングでした。ボーカルも全曲を一気に一度で録音しています。当時は若かったですしとにかく勢いでのレコーディングでしたがむしろ清々しく生々しさは残っているのでは感じます
以上より我々の現在のレコーディング手法はマイク録り(アンプのそばにマイクを立てて録る)ではなくDry wav&Midiレコーディングです
そういえばここまで一気に話を進めてきましたがバンドプレイヤーでないと分からない様な意味不明な用語が沢山でてきていると思われますので以下少々補足を
Dry wavというのは生音のデータのことです。つまりギターであれば生音で弾いたものをレコーディングしています、ボーカルも同じく。Midiレコーディングというのは我々の場合は電子ドラム録音です、こうすることで各パーツをパラデータで取り込めミックス時にパーツ毎に音量を含めて音を作ることが可能です
特にドラムに関してはマナレコーディングスタジオのガイドラインにも書いてある通りハイハット、ライド、シンバルをオーバーヘッドとは別にミックスしたいとあります。(余談ですが海外発のデスメタル音源って何か違うような気がしませんか?)そういう背景であったり依頼をしたいミックスエンジニア氏にセンスを最大発揮していただきたい想いから(マイクRecの場合、ミックス範囲が制限されやすい)あくまで我々のケースではありますが上記の様なレコーディング手法を取っています
どんなレコーディング方法が良いのかはバンド毎に異なると思いますし歪ませたギターアンプを鳴らしながらマイク録音するのも迫力抜群ですし、これまでの内容はあくまで我々の場合の参考となります
音源が完成したときは本当に嬉しいものです
ただそれも束の間でその後も所属レーベルとのリリースステートメント会議だったりMV制作だったりリリースライブ時期を決めたり等で更に忙殺されて行くのですが、笑
ライブの音作り
今回はライブでの音作りについて。バンド毎に各様だと思います。ですので我々サブコンシャステラーでのケースを述べていきます。結論的には音の分離を重視。デスメタルというと低音や音圧が凄くてズンズンと風圧を感じるようなキーワードが浮かぶのではないでしょうか。でも我々の場合、辿り着いたのが音の分離が第一ということになります。つまりは各プレイヤーの音が埋もれずに存分にパフォーマンスできる環境を目指しています。ドラムの場合は積極的にトリガーを使いバスドラは高音バチバチサウンド。それこそ戦車の様な2バスドラムの連打を会場に響かせたい想いです。何よりデスメタルジャンルのライブはドラム音響がキーポイント。会場での当日リハーサルの際に特に気を付けていることはスネアとドラムの外音(お客さん側で聞こえるモニタースピーカー)が他の音よりも抜けている事(しっかり鳴っている事)です。これにより曲にメリハリもつきます。続きましては弦楽器。ギターに関しては故意に硬め(形容するならばわざとパリパリ感を出した音質)でかつ、あまり歪ませないサウンドにしています。そうすることでベースと被りにくくなりますし、更に言葉を選ばずに言うならば外音についてはスネアとバスドラとボーカルがガッツリ聞こえている状態であればOKとも考えています。弦楽器に関してはアンプのボリュームで調整ができますからね。高音バチバチなバスドラム音に低音域ベースが分離された状況下でパリパリなギターにすることで各音ができるだけ被らない状態で「全体として各パートがクリアに聴こえ易い」という塩梅です。ですがその分、演奏ミスをしてしまうと分かりやすいくらいにミスが目立ちます。でもその緊張感も含め人間味のある生の表現をしたいと考えています。当日一回限りの演奏ですから。これらはもちろん普段の練習の賜物ですしミスはできる限りしたくないですが。特にライブドラマーは大変です。その一回限りのパフォーマンスをきっちり機械的に人間メトロノームの様に叩く事を前提にプレイするプレッシャーがあります。我々サブコンシャステラーにとって「音像全体を作り出すのがドラマーであり、サブコンシャステラーの主役」といっても過言ではないと思っているので本当に重要なパート。逆に言うとドラムが良ければすべてが良いと言えるほどにデスメタルジャンルにおいては特にキーとなるパート。そういう意味では我々は現在までずっと素晴らしいドラマーに恵まれています。あと、長年のライブで感じたことですがライブ会場での音質とCDの音質は若干別物と考えています。できるだけ類似はさせたいですがライブ会場の場合、音源と同じセッティングだと音が埋もれてしまう周波数領域もあり各パートの折角のパフォーマンスが埋もれてしまうのをできるだけ避けたいと考えています。そして最後にボーカルに関して。これまでエフェクター等は使わずにずっと生声でやってきています。声に関してはやはり当日の喉の調子次第とは言えできるだけしっかり睡眠をとって元気ハツラツにやることを常日頃を心がけています。ボーカルの話がでましたので付随してMCに関し。近年はMCをほぼ無くしました。その方がバンドイメージに合っているような気がしています。なので無骨に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、心中はそうではない(ご来場の皆様に感謝の気持ちで一杯です)のでご了承くださいませ
国内エクストリームメタルシーン
エクストリームメタルはいつの時代も国内はアンダーグラウンド。かれこれ40年は経過しています。1980年代からヘビーメタルやハードコア、スラッシュメタル等の激しい音楽がライブハウスで夜な夜な行われその後、デスメタルやグラインドコア、更に2000年前後には細分化されたメタルコアやデスコアなどの潮流があれども規模自体は基本的に変わってない印象です。これらは天変地異でも起きない限り多少の起伏はあれどもこの規模の流れで続いていくものだと思われます
国内においては1980年代から脈々と続く「邦楽メタルは聴かないファン層」と「邦楽メタルと洋楽メタルを両方聴くファン層」の2パターンに分別されるような流れも背景としては考えられそうです
これは本当に勿体ないですよね、我々日本人同士です。もしこの領域からの逆転ホームランの様な出来事があるとすればプロ野球でいうところの「メジャーリーグで活躍したから(認められて)日本でも人気が出る」ような、もはや逆輸入でしか認めないくらいの空気感も否めない要素。これはやはり日本人気質と言うかエクストリームメタル系にも同じような傾向がある様な気がしています
もしも昔から両ファンの絶対数が足し算されていればむしろ日本のエクストリームメタル業界は世界的にも大規模になっていたかもしれないですね(今のインドネシアがそう。自国バンドを盛り上げブルータルデスメタル王国として世界に輸出)
演者側をやっていてつくづく思うのが我々日本人の楽器演奏レベルや創作を含め細かい機材に至るまで抜群なセンスを持った人たちが大勢居ます。いわゆるオタク気質な人が多いからかもですが世界に誇れる音楽オタク巧者は多いです
ですがそんな素晴らしい才能が埋もれたまま規模が小さいが故に上手くいかず希望を失い経済的にも立ち行かなくなり、いつのまにかフェードアウトしていく人達のなんと多いことか
エクストリームメタルジャンルに関してはどうしても洋楽至上主義ファン層の絶対数が多いのでそこで卑下してしまうわけでは無いのですが長い歴史もあってかなかなか打開策が見つからない状況も
ただ幸いにして近年はBabyMetalなどエクストリームメタルの入り口となるような、つまり間口を広げてくれたバンド群もいるため認知度という意味では以前よりは入りやすくなってきたかもしれませんね
その他、デスコアやメタルコアジャンルの出現。このジャンルについてはほぼ知見が無いので伝えられることは少ないですが「オシャレで若いエクストリームメタル」という勝手な私的イメージがあります。これも間口を広げてくれたジャンルだと思いますし益々発展して欲しいですね
現在エクストリームメタルプレイヤー(そしてリスナーも)が高齢化しています
人口でいうと逆三角形の形状で底上げが無い限り次世代は更に縮小気配の可能性も
つまり若いプレイヤー(とリスナー)の発展がエクストリームメタルジャンルの発展と連動しますし先述では天変地異でも起きない限りなんて言いましたが糸口は彼らにある(彼らを応援・サポート・引き継ぐ)と思います。諦めないで欲しいですね
我々は長髪&黒服&ブラストビート&速い音楽のスタイルを長年やってきていますが創作に関しては益々若々しいというかブルータルな(激しい)感覚を好むようになってきています
今後もまだまだ皆さんの聴覚を刺激する曲を創って行きたいですね
Subconscious Terrorのルーツ
今回はルーツについて。サブコンシャステラーは1994年に結成&活動開始。更に遡ること1989年。高校生の時、同級生がメタリカ「Master of Puppets」のCDを学校に持参。世の中は「昭和歌謡曲」全盛期。当時はまだ国内ではスラッシュメタルという言葉すら地下マニアの間でまことしやかに知られているレベルで10代の自身にとってはまさか縁があるとはです。その友人がこのメタリカのCDを貸してくれることとなり自宅に持ち帰って聴くのですが当時の10代の自分にとってはあまりにも衝撃的で「地球上にはこんなにも激しくてヤバい音楽が存在するものなのか」とただただ驚愕。ギターの歪んだ音色とスピード感。これに翻弄され、いてもたってもいられず次の日にはギターを購入。ですが周りにギターをプレイする人が居ず何もわからないところからのスタートだったこともあり右往左往ありましたが、数か月後に吹奏楽部で太鼓をやっていた同級生にメタリカの曲名「Battery」と「Master of Puppets」を一緒にやろうと誘い週末に高校に忍び込んで吹奏楽部のドラムセットを使い自身のミニギターアンプを持ち込み、彼と一緒に合わせながら練習していました。ただ休日に学校に忍び込んでの練習だったので警備員に見つかっては怒られる等もありましたが。それでも寝ても覚めても勢いは止まらず。その後、大学受験を終え大学へ入学。と同時に一目散にメタル系軽音に入部しすぐにメタリカ、スレイヤー、メガデス、セパルトゥラなどのコピーバンドを組み、文化祭や定期演奏会を含むイベントでライブ経験を積ませて頂きました。とにかく365日が音楽三昧な大学生活でした。この時に良かったのが年に2回、河口湖にある「スタジオとステージと宿泊」がセットになった定例合宿STUDIO HOTEL CAMELOT (camelotstudio.jp)に行く事でした。50人位でバスで行くのですが24時間スタジオを使えるので練習し放題。各自が複数のバンドを組み、合宿最終日を発表会としてステージライブをしつつ、打ち上げという流れなのですがこの合宿は卒業するまで毎年参加し合宿の度に約5バンドを掛け持ちでコピーバンドをやりました。ポップスからロック、ハードロック、メタル、スラッシュメタルなどあらゆるジャンルバンドを組んでの最終日にライブ発表です。メンバーも毎バンド変わりますしジャンルもバラバラですし相当鍛えられます。合宿期間中の生活ですが例えば朝の10-12時にジャニスジョップリンのカバーバンドのスタジオ練習したかと思えば、昼14-16時にはガンズのカバーバンド練習をやっていたり、かと思えば夜中の3-5時にはスレイヤーのカバーバンド練習をしていたり。とても目まぐるしいですが無我夢中でギターを弾いていました。大学内の数ある軽音の中でもテクがピカイチと言われてたところへ加入していたので上級生(先輩達)がとにかく巧く、ずっと先輩達の背中を見ながら教えを請い吸収していました。話が大幅に脱線しましたのでルーツの話に戻ります。初期中期メタリカで衝撃を受けた後ですがメガデス、スレイヤー、セパルトゥラに影響を受けて行きながら徐々に自分でもオリジナルバンドを組んでみたいと思い立ち大学3年生の時にBURRN!誌上(音楽雑誌)でメンバー募集。そこからキックオフしました(当時はインターネットも無かったですし、音楽雑誌やスタジオでのメンバー募集の張り紙が一般的)。その際に応募してくれたドラマー(Death-O)と出会い、思考したギターリフを弾いてはドラムパターンを練り曲を作りました。そして数か月後、1994年10月に大阪Yanta鹿鳴館でのデビューライブという流れとなります。初ライブでは楽曲名「Sacrifice of Technology」や「Monstrous Mediocrity」等を演奏。当初、結成数か月ということもあり未だオリジナル楽曲がまだ少なかったのでセパルトゥラやスレイヤー等のカバー曲も混ぜながら少しづつ曲を増やしていきました。思い出としてはボーカルの発声について。当時は「ダミ声」という認識でやっていました。グロウルなどの言葉も無かったですし。国内では「デス声」なんていう造語が出てきた頃だと思います。自身もその頃になるとナパームデスやテロライザー、SADUS、カーカス、モービッドエンジェル、デス、ディーサイド、カニバルコープス等も好んで聴く様になりました。とはいえ上述バンド群も当時は超の付く地下活動。国内においても少数マニアがヒッソリと聴いている時代。そのあたりの事をどうやって知ったかですが当時は紙媒体のアンダーグラウンド系ファンジンが幾つかありました。今でいう同人誌でしょうか。それらが毎号発刊されるのを楽しみに待ちながら同志と情報交換。この流れがサブコンシャステラーのルーツになります
将来のバンドプレイヤー像
結論から言うと「生まれ持った音楽センス」+「DTM巧者」
特に後者の「DTM巧者」は今後は音楽センスをも補う可能性を見出しています
極端な話ですが、たとえ楽器ができなくてもDTMを専門に詳しいならば、つまりPC上で全楽器の制作からリリースまでを完結できます
昔はそれこそ、先ずはメンバー探しからスタートし、地元のライブハウス等でコツコツ活動を進めながら徐々に活動拡大で東名阪などを回ったり、デモテープを配布したりで手探りな地道活動をしている状況が多かったですが、現代においてはキックオフの時点で1人でDTM上で完成品まで創り上げ、それをリリースした後にメンバーを探したって良いわけです。しかもBandcampやyoutube、TikTok、ituneなどを利用することで今やいきなり世界にすら発信が容易な時代
以前だとギターは弾けるけどメンバーいないから活動成立しないとか、ドラムを叩けるけどボーカルが居ないからとか、メンバーの欠員背景で思うように音源が作れなかったり活動ができなかったバンドやプレイヤーも多く居たと思います
ですが現代はメンバーが居ないから諦めるではなくむしろ「DTMのプロ」になれば他パートの欠員があっても好きな創作音楽や好きな活動はやり続けられます
逆にいうとそのくらいの強い意思が無いとどうしても他人依存になってしまい、結果せっかくのモチベーションを下げてしまったり、せっかくの才能が埋もれてしまう可能性も
そんなDTMの恩恵について当バンドで例に挙げるならば1998年に休止後、2019秋に再始動宣言しましたが、僅かその半年後の2020年春に狼煙を挙げる新譜アルバム「Reprogramming」をリリースした流れなのですがDTMにはこのスピード感があります
再始動時に過去メンバーに声をかけた際「住んでいる場所がバラバラ」でしたので遠隔でどうにかする必要がありました
そのタイミングでDTMなる現代機器が存在することを知ったのです。なにせ約四半世紀も音楽業界から離れていましたので正に浦島太郎状態
即DTM購入(再始動の2019秋)
最初の1か月間は使い方を学び、2か月後には曲を書いて、3か月後には各メンバーにDTMで創作した楽曲のラフデモを渡しそれに沿って各メンバーが遠隔レコーディング、4か月後にはミックスマスタリング、5か月後にはプレス工場にCD制作依頼をし、6か月後には再始動1発目となる2020年3月の大阪でのライブで新譜アルバムを先行リリースさせて頂きました
昔ならありえないですよね、この速さ
DTMが無い時代(存在を知らない時代)は大変。とにもかくにも先ずはメンバー探しだったり、曲を作るといっても皆でスタジオで音合わせしながら「あーでもないこーでもない」とものすごく時間もかかったり。それがDTMの台頭により全て解決
現代において音楽活動はやろうと思えば(意思次第で)いくらでも進めることのできる良い時代だと思いますし、むしろ音楽活動をしたいプレイヤーにとっては最高の時代でしょう
デスメタル系リリースの海外レーベル一覧(+α)
皆さんの方がよっぽどご存じだと思いますのであくまで分かる範囲でHPリンクと共に一覧にしてみました
各レーベル毎に所属バンドの特徴や個性、いわゆるカラーがあり興味深いですね
(順不同)
brutal mind BRUTAL MIND | Store and Records Label (brutal-mind.com)
willowtip Willowtip | Forward.Thinking.Metal
napalm records NAPALM RECORDS
agonia records Agonia Records
prosthetic records Prosthetic Records
unique leader records Unique Leader Records – Unique Grinds for Unique Minds
new standard elite NEW STANDARD ELITE | The New Standard of Sickness
osmose productions Osmose Productions, Black, Death, Thrash, Doom, Grind, Tee Shirt Metal, Mailorder, Record Label
transcending obscurity Home – TRANSCENDING OBSCURITY (tometal.com)
metalblade records Metal Blade Records
century media records Century Media Records – Quality in Metal
pulverised records PULVERISED RECORDS
sevared records Sevared Records – Undying Brutal Death MetalSevared Records | Undying Brutal Death Metal
dark descent records Dark Descent Records – Underground metal label based out of Colorado USA
miasma records Miasma Records | Extreme Music Label from Portugal
non serviam records Non Serviam Records (non-serviam-records.com)
atomic fire records ATOMIC FIRE RECORDS🔥The New Home Of Heavy Metal (atomicfire-records.com)
xtreem music XTREEM MUSIC ···········································································
hammerheart records hammerheart
listennable records LISTENABLE RECORDS Webshop : Metal Label & Dealer, Established 1997 : Death, Black, Thrash, Heavy, Doom, Hard Rock… (shop-listenable.net)
black lion records Black Lion Records
rising nemesis records RISING NEMESIS RECORDS – risingnemesisrecords
profound lore recods Profound Lore Records
apostasy records APOSTASY RECORDS – Official Website
20 buck spin :20 BUCK SPIN: A RECORD LABEL & ONLINE RECORD STORE:
season of mist Season of Mist (season-of-mist.com)
まだまだ沢山ありますがこの辺で…
HPだけではなくYoutubeチャンネルやBandcampやFacebook、Instagramページ等もあったりするので気になる方はチェックしてみてください
HPが頻繁に更新されているところは勢いのあるレーベルの可能性もありますね
当バンドでもフィジカルを送ったりしたことのあるレーベルや既にレーベルのボスと繋がっている所もあります
尚、将来リリース契約を希望するバンドがオーディションでレーベルにアクセスしたいならば大手ほど先ずはA&R担当者(A&R – Wikipedia)を確認した方が良さそうです
そのオーディションについてですが更に言うとフィジカルしか受け付けないレーベルもあれば音源リンクしか受け付けない(添付ファイルが重いのも却下)ところもあるので事前に各レーベルの注意事項をしっかり確認しそれを遵守してのオーディションとなりますのでお気を付けください
一人練習のやり方
スタジオ等でみんなで音合わせをする以外の普段の練習について。様々なやり方があると思います。本内容はあくまで個人的な手法です。
音源を聞きながら合わせるのが定番だと思いますが、私的定番はDTMにギターを繋ぎドラム音源のみ流し、それを録音しながらイントロから最後まで弾き切るです
そして録音したものを聞き直し、違和感のある場所を抽出&修正するというパターンが1つ目
2つ目はDAW上で録音した波形を見て「体感」と「実際のリズム」のズレを確認。ズレに関してはおおよその傾向(や癖)があるのでそこを修正していきます
それからスタジオに1人で練習に入る際は先ずは(1)セッティングのスピード慣れです。各機器にはボリューム以外の部分に設定マーカーを付けているのでそちらも確認します。
セッティングが終われば次に(2)スタジオのモニタースピーカーからドラム音源を流しセットリスト通りに演奏、その際に携帯等で動画録音しておきます。スタジオ練習終了後、それを聞き返し違和感のある個所や修正すべきところを抽出し再構築していくといった具合です
他にどんなやり方があるのか分かりませんが普段はこのようなやり方をしています
バンドメンバーの探し方ガイド?
結論は「相互リスペクトが続くかどうか」です。楽器テクニック(スキル)でも無く人間性でも無くです。「相互リスペクトが続く限り」。SNS等のバンドメンバー募集欄等でよく見掛けるのが、好きなジャンルやメンバー間の連絡が迅速等いろいろ書いてあります。もちろん重要なことではありますがやはりバンドは団体、様々な環境下で生きてきた他人同士の集まりです。どんなに趣向が近いだったり人間的に気が合うだったりしても「相互リスペクトが続かない限り」難しいと思います。確かにこの点で更に課題があるとすればバンドの将来のビジョンや各人のスキルに対する差異によるモヤモヤ感などの微妙な人間関係。お互いに確認はしていくとしても首題の結論通り「相互リスペクトが続く限り揺らがない」です。もちろん演奏が巧いに越したことはないでしょうし、ビジュアルだってかっこいいに越したことは無いでしょう。でもやはり相互リスペクトが続く限りバンドは成長していくものだと思っています。
機材に求めるもの
結論は「壊れにくい」(トラブルが起きにくい)の一言につきます。ライブ中の機材トラブルは記憶にないのですが、そこには入念な準備が前提でありそれでも機材トラブルは起き得る事項。個人的にはそれをも極力無くすべくと考えています。ギターパートに関しては使用ギターはずっとJacksonギターでとにかく頑丈で壊れないです。青年期からJacksonギターを使用していたので指板感覚も慣れていますし心地よさがこの上ないのもあります。以前(1990年代)はアクティブピックアップ(電池内臓式/弦の振動を電気信号に変える役割の部品)を使用していましたが、現在は万が一の内部断線や電池切れなどを気にせずやりたいと思い、パッシブピックアップ(電池不要で弦の振動を電気信号に変える役割の部品)に変えました。現代のピックアップは進化しすぎていてパワーも含め全く問題無く理想の音を実現できています。
↓2020年代(現在)メインで使用しているパッシブピックアップ搭載ギター
↓1990年代にメイン使用していたアクティブピックアップ搭載ギター
更に音作りについては2020年以降ライブ毎に機材を変えてきていましたがようやく(2024年現在)落ち着いた状況です。行きついたのは(1)軽量で大出力のクリーンサウンドアンプヘッド、(2)コンパクトディストーションペダル、(3)コンパクトコンプレッサーの3点セット
以前の複雑怪奇だったのをどんどんカットし最後に行きついた「超頑丈セット」です。機材トラブルを気にしたくない&でも音は理想を出したい、これらを追求した結果。機材トラブル懸念は一層無くなりスタンバイ(本番前の接続準備)もとにかく早いですしメンタル的にも本番演奏に集中することができます
結論:「とにかく頑丈でシンプル」(+環境に左右されない)です
参入障壁と音楽家の出世レース
商業系大手レコード会社はスピンされたSNSの回数(インプレやストリーミングetc)がバンドの判断基準ですのでたとえ「世界で一番すごい曲」なるものを創っても残念ながら殆ど誰にも知られないまま埋もれていきます。大手ブッキングエージェントも同様で上記の実績有無で判断。それ以外でのリリースやブッキングは99%が人脈つまりコネかお金だと思われます。でも、そういった背景もありながら特に国内においては近年、有志による個人招聘に近いような形(会社/個人)でアーティストを招聘し、更には我々の様なマイナー系バンドにも出演の機会が与えられたりなど良い発展もあります。我々はまったくのコネ無しスタート…普段から良曲を創り続け、ライブでは音楽性を更に聴覚補完できる様にビジュアル面でも統一感を目指しながらやっていくというのは基本部分ですが、それだけでレーベル契約できるわけでないのとメインストリームバンドとツアーする様なチャンスはほぼ無いと思います。我々はこれまで、たまたまの幸運と奇跡の連続が多かったのだと思います。というのが結成2年(1995年)の頃の話ですが、1stアルバムのレーベル契約はツアー中の名古屋のライブハウスで来場されていたレーベル社長に「ウチで出さないか」からの1996年リリースでしたので「そういうものなんだ」と思っていたところがあります。そしてさらには近年のCRYPTOPSYやDEFEATED SANITYのOAの話も突然のビックリな(光栄な)連絡を頂いた流れで、能動的に動いたのはブルータルデスメタル大手Brutal Mindとのリリース契約の際で、これが非常に良い経験となりました(表には見えないところではありますが能動的に動く事の重要性)。
ただ現代においては特に我々の様なマイナー規模バンドの場合、上記の様な「突然連絡が舞い込む」ような事例は例外に近い部類と考えた方がよいでしょう、つまり「声が掛かる吉報を待つ」ような自然発生的な事案は稀過ぎます。やはり能動的に動くべきでしょう。そのためにも創作楽曲、ライブパフォーマンス、EPK等の資料、ビジュアル等の全体表現に対して日々コツコツやりながらレーベルやエージェントと繋がっていくのが日常活動の一部と考えた方がよさそうです。それらは普段の楽器練習と同じくらいやった方がよいでしょう。ビジュアルの話がでましたがこれはかなり重要だと感じています。学芸会で一夜限りの友達を誘ってやるのとは違いますし、特にレーベルやエージェントは服装の統一感や醸し出すキャラクター等も気にします。なのでバンド全体の統一感(外見)はチェックされるべきところ。我々は黒軍パンに黒シャツにフロントマン長髪で長年やってきていますがその部分の統一感は功を奏しているのかもしれません。これまで、たまたま運の良さばかりが際立っていただけですし、今後も末永く続けていくならばその先もキッチリやり切ることでしょう。加えてオフィシャルホームページ設置の重要性。手作りでも良いのです。特に海外からだとHPの「コンタクト欄」からレビューやインタビュー等の依頼連絡をいただくことが殆どです。ですのでリリースやライブ情報と共に「バンドにオフィシャルでコンタクトが取れる窓口がある」ということが重要。そして最後に首題の「音楽家は出世レース」についてですが、会社の出世と同じで辛いところではありますが所属レーベル規模や集客規模等で残酷にも分類商品化されてしまいます。さらに残酷ですが有名か非有名かみたいなところだけで足切りされるケースも。ただ上手くその流れに乗ることができれば更に活動がし易く(重要)なりますし、いくらやっても先に進まないことで最終的にバンド(メンバー)が傷付いてしまうだったりモチベーションが下がる様な事があるならばですが。もしもそういった事にも興味があるバンドは一考の余地かもしれません。ちなみに我々は勝ち負けでやっているわけではないのであくまで活動の幅を広げる意味での能動的な話になります。ですのでそのあたり(メインストリームに向いて商業音楽に特化する方向へは)は不器用というか、亀足というか、あくまで音楽は自己表現と捉えているので難しいところではありますね…
バンド活動を末長く続ける
学生バンドでよくあるパターンの、メンバーの学校卒業に伴う就職によりバンド離脱や活動休止。各自への生活保障があるわけでもないバンド活動の場合はバンド母体がその責任を負うまでは難しいですし各人の人生ですから離脱はある意味で仕方がないでしょう。他にも外交的には「音楽性の違い」による離脱はよく聞くフレーズですが実際は殆どがそうではなく各自の経済格差起因からの違和感による離脱だと推測しています。つまるところ各メンバーの普段の経済生活に支障が出てくると活動は難しいし起因して揉めたりも。逆に言い換えるならば普段の経済生活に支障あるメンバーは遅かれ早かれ続かないと思います(理想と現実のギャップが生まれます)
我々を例にすると90年代の活動時は大学生で軽音部メンバーで構成していたので卒業年になると就職するメンバーの交代離脱と引継ぎが恒例の流れで卒業後も最後まで就職活動をしなかったメンバーが居残る状況でした、活動費もみんなでお金を集めて必死でCDやシャツを売りながらツアー生活していく状況でしたがそれでもそもそもの各人の経済環境差はありました。方や普段が悠々自適生活、方やおんぼろアパアート4畳半で食うにも困る様な、そういったメンバー毎の生活価値観の違いは活動に支障をきたすケースも
現在の再活後は上記とは完全にやり方を変えています
現メンバーは経済負担無しです
例えばライブをするなら往復交通費と宿泊費(遠方時)と日当以上の演奏ギャラが各メンバーに配布されます
レコーディングをするなら納品一曲ごとの演奏費も配布されます
つまりは完全にプロのバンド活動形式に移行しました
まず第一に大人の付き合いができますし、感情的な揉め事も無く、更には「報酬=演奏は仕事」という「プロ意識」も強くなりますのでそういったストレスから解放されます
ただそこで重要なことはそこに甘えることの無い思考の持ち主のメンバーであること。つまりバンド全体や他メンバーにリスペクト無く、収入があるからやろうな気持ちがあると遅かれ早かれ見透かされますし、やはり船から降りることになるでしょう
話は戻り、ではその経済的負担は誰が持つのでしょうかというツッコミは当然でしょう。特に我々の様などちらかというと非商業的音楽を演るならばなおさら
結論としては「リーダーの責任」が前提だと思っています。あくまで我々のケースですが
会社をイメージすれば分かりやすいと思います。会社には社長がいて従業員がいてその従業員には家族がいたりもします。その会社の営業マンがまさか自腹で交通費を支払って出張はしないでしょう
つまりリーダーというのは各メンバーの経済活動や健康を含めトータルで役目を果たす努力をすることがバンドが長続きできる要素の1つだと考えています
そのくらいリーダーは重い責任と強い意志を持ってやるべきだとも
その上でもやはり個々の要因で離脱するケースはありますから
基本的には自己犠牲の上に成り立つ意思が無いとリーダー職は続かないでしょうし、その気持ちが無くなればメンバーとの軋轢が生まれたりもするでしょう
SNSでよく見るメンバー離脱時に怨念のような敵対化するケース。これらはやっぱりリーダーが周囲を見渡せていない事が原因かもしれません。ですので最低限メンバーに経済的負担をかけないことが解決の糸口になることも考慮するとよいかもしれません
リーダーは何でもできて当然で更には自己犠牲を厭わない強い意思が必要かもしれません
では、その点において疑問が出てくるであろう元金(活動資金)をどうするかですが結論としては普段身を粉にしてでもめちゃくちゃ働いてお金を稼ぎ、更にその隙間を縫って創作や練習をし、さらに音楽制作に関してはめちゃくちゃDIYで節約する手法です、やりたいことをやるなら当然ですし、それを努力とは言わないでしょうし必然だと考えています
音楽のDIYについては作詞作曲は自分で創る訳ですから費用0円
レコーディングはDTMで各自遠隔Recしデータをファイル送付で合体させればレコーディング代0円で交通費すら0円
その節約できた分で各メンバーに1曲ごとの演奏ギャラをまかなえますしメンバーも演奏報酬がある訳ですから掛かる時間対価も得られます
次にミックスマスタリングですがこれは各バンド毎にこだわりもあると思いますがセルフミックスなら0円。業界の世界的有名エンジニア氏にミックス依頼するなら大金が掛かるケースも
我々の3rdアルバムがそうです。「世界的著名エンジニア氏にミックスして頂いたらどんな音源になるのだろう」との興味から(めちゃくちゃ働いてお金を貯めて)SuffocationやMashine Head、ImmolationやDecrepit Birthを手掛けたZack Ohren氏に依頼し実現しました。やって良かったですし対価以上に学びが多かったです、どういった音の作り方をするのかを彼と直接マンツーマンでやりとりしながらですからそれ以上の価値を見出せたと思っています
アルバムアートワークについては我々は2nd、3rdアルバムともに海外のアーティスト氏に依頼してのリリースですが、これもDIY(自分で描く)ならば0円
さらに今の時代なら歌詞等のイメージを挿入していけばAIでも作れますのでそれも0円
最後はリリースするためのCD作成。これももちろんCD-Romを自前で用意してPCで焼いていけば原価で済みますよね
我々は幸運にもレーベル契約していますので制作頂いていますが、このように工夫すれば負担を減らしながら幾らでもやれると思います。
つまるところ、末永くバンド活動を続ける秘訣はリーダーは責任の重さの自負と工夫と諦めないことだと考えています
同期演奏やイヤモニetc
表題ですが基本的に使うことはないです。特にアンダーグラウンドジャンルのライブバンドはどこでも対応できる能力が必要です。ライブ環境によってはモニター無しの直アンプの出音や直ドラムの出音のみだったり、場合によっては備え付け機材使用で楽器とエフェクター1個だけでも演れる気概というか、そういったジプシー環境でもその場で最大限に発揮できるパフォーマンス能力もプレイヤーとしては必要であり、とても重要なことだと思っています。すべての機材が完璧に整った環境でないと演れないというのは臨機応変さが足りないとしています。その部分を鍛えるという意味では海外の小さなバーやクラブのような所で、モニター無しで、そこにある環境だけでその日に一番良い音を出せる様な修行僧的ツアーもしてみたいですね。ただ我々の音楽はスピードがかなり速いジャンルですのでそういった環境でしっかりやる前提(バラバラにならない様)ならば各プレイヤーの力量と普段からのトレーニングがかなり必要になってきます。最終的には眼を瞑った瞑想状態でも「感じ取るだけでライブ演奏できる」ことが理想かもしれません
作曲数(&作曲してきた年数)と作曲手法の転換
アルバムごとにバラエティに富んでいるバンドもあれば、ずっと同じ感じの曲を作り続けられるバンドもあれば、途中で路線変更するバンドもあれば、だんだんアイデアが枯渇し没個性化していくバンドも。バンド楽曲は「生モノ」として経年していきます。一般リスナーの立場からすると新作について「スゲーかっこいい!」もあれば「前作の方が良かった」等の私感があると思いますがそれは自然なもの
この点について
バンドコンポーザー側としては様々な要因があります。レーベル契約上、無理やりでもこの時期にリリースしなければならないアルバムがあったとか、長年やっているバンドでコンポーザー(作曲者)側がアイデアに枯渇してしまっているタイミングだったとか、かと思えば非常に斬新な曲をリリースできたり各種各様
では我々の場合を例にしてみましょう。ちょっと特殊なのかもしれませんがいわゆる「降って沸くようなタイミング」と「自分の中で期限を決めて故意に追い込む」を足して二で割るような楽曲群で構成されている気がします。これが幸か不幸か、アルバム内でバラエティに富むという具合です。ただ前提として普段から音階アイデアを溜め込んできていてそれらが熟成されていく部分もありますが
3rdアルバム「Chaotic Diffusion」の曲群は(1)僅か数十分でイントロから最後まで出できた曲もあれば(2)何度も修正しながらかなり時間をかけて出来た曲もあります
リリース後、時間が経ってから(客観的に?)これらを聞いたときに思うのは「練りすぎても」、「勢いだけでも」のハザマで出来た曲が最もお気に入りになりやすく、ライブでもセットリスト定番になりやすい気がします
この辺りは塩梅が難しいですし、作り手本人ですらあとから思うこともあります。ちなみにリズムから曲を作るとギターリフは手癖になりやすく、ギターリフ(音階)から作ると曲の中で印象に残る部分、いわゆるキラーリフが生まれやすいのかなとも感じています
奇跡的に「その瞬間」に産まれた音階アイデアですからタイムマシンでもない限り二度と同じ音階は創れない訳です。作曲とは奇跡の連続ですね
我々は1st「Invisible」、2nd「Reprogramming」、3rd「Chaotic Diffusion」と3枚のアルバムをリリースしてきていますがそのタイミングでしか創造しえない楽曲群であることにいつも「この曲、どうやって創ったんだろう、どうやって思い付いたんだろう」と、あとから思います
話は逸れますが昨今のSlamming系デスメタルやブレイクダウンを用いたデスコア系音楽はリズムから創る音楽である場合が多いかもしれませんね。タイミングを取りつつ、頭を振るリズムからの低音弦ギターリフ。これらは意図的に作ることもできそうですが新たな息吹と手法ですね、素晴らしい着眼点だと思います
話は戻り、「次作で創ってみたい」、「次作でトライしてみたい」のが「歌メロディ(歌のサビ)」から「音階(ギターリフ)を創造する」です。実はこれまでのアルバム内では創ったことがありません、どうなるかは今はまだ想像尽きませんがアイデアの蓄積はしています
結論として
コンポーザー側は「飽くなき創造」と「アイデアの追求」をし続けることが活力であり、アイデアの枯渇というのは活動に想いが続く限り無いと思っています
今回の内容はメインストリームな商業大衆音楽とは掛け離れている思考なのかもしれませんが、我々エクストリームミュージックはこれでよいのです笑
当の本人は巧いと思ったことが無い
テクニカルデスメタルはその名の通り楽器達人系のデスメタルジャンル。楽器のハイパーオリンピックのようなバンドも。そんな楽器超人は全員が「生まれ持ったセンス」からきています。なのでその達人がいる所に直接習いに行けば誰でも辿り着けるという訳でないです。そんな生まれ持ったセンスのある人達が長年に渡り想像を絶するトレーニングをしてきています、リスペクトしています。ちなみに我々の音楽はジャンル的にメディア上では「テクニカルブルータルデスメタル」と御紹介いただいていますが当の本人達はテクニカルなんておこがまし過ぎていつも身が引き締まる感覚です
ただメディア上でジャンル名が記載されることで新しく知って下さるきっかけ(入口)にもなりますのでありがたくもあります(ホントに身が引き締まる思いですが)
楽器の上達についてはやはりセンスが前提とは言え多少のコツはあると感じています。あくまで当方のやり方ですが脳からの指令と実際の肉体的な動きのタイミング差を減らしていくこと、そして脳内イメージと客観的に見た実際の肉体的な動作のマッチ性(正確性)だと理解しています
例えば「右手を挙げる」と脳で考えたときに脳が指令するタイミングと実際に右手を挙げるタイミングの誤差を埋めていくというか、更には右手を挙げるといってもどのような挙げ方をどのようにするのかまで深く考え、しかも脳と実際の動きのディレイを無くして行くトレーニング
なので「思考」と「(客観的にみて正確性を備えた)肉体的なの動き(操作)」をマッチングさせていく事が上達に向けたトレーニングだと考えています
楽器を担ぐフォーム1つをとっても構え方次第で音が全然変わってしまいます。ピックを持つ手の感覚もそう、ピックは非常に軽い物質ですが手指神経で重量感を感じながらであったり、弦楽器の場合、どの角度でピックを何ミリ近づけた状態なのかも脳イメージと実際の動きを客観視して確認していくトレーニング
楽器のテクニカル系も自分を高めるために追い込むと限りなく深いですね
環境作りも重要なセンス
もちろん我々はプロフェッショナルなバンドとしての意思をもって活動しています。ただ我々のような音楽ジャンルにおいてはまさか「これで飯を食おう」という人は殆どいないと思います。邦楽ポップやロックの範疇でも世の中のバンド数を分母にするならばそれでご飯を食べてる人は限りなく1%未満。つまり「好きすぎて、やりた過ぎて」やっています。「諦めきれないほどに好き過ぎて末永くやり続けたい」ならばですが音楽活動環境を整備できることも「音楽センス」の1つ。厳しい表現かもしれませんが逆にそれができないなら音楽センスも欠如しているということになります。
バンド音楽=創作センス+楽器技術+ビジュアル(聴覚を補完)+環境整備
過去には残念ながら経済的に活動できなくなったプレイヤー、メンタル的に活動できなくなったプレイヤー、就職等で活動できなったプレイヤー等をたくさん見てきました
海外のテクニカルデスメタル系のバンド(とはいえ多くは大手レーベル所属)群に目を移してみましょう。彼らは普段の生活はどうしてるんだろうと調べてみると日常では「自由の利く会社経営者」や「バカンス休暇が取り易い世界的一流企業」や「まとまった休みのある大学教授」などの肩書のプレイヤーが多い傾向です。これはテクデス界独特(楽器テクはインテリも多い?)なのかもしれませんが。でも確かにビジュアル面で自由な服装や長髪にしたり、時間軸の自由さもありますので正に「環境整備センスのある人達だなー」と感じます。しかもそういうプレイヤーは経済的にも余裕のあるケースが多いのでより充実した音楽活動ができる良循環で心的な余裕も生まれるので活動や創作意欲も益々旺盛に。このブログを読まれた方でバンド活動していてかつ、これを羨ましいと思うならばチャンスです。普段からそのように「環境整備」についても仙人を目指すような楽器の猛練習と同じくらいにやれれば益々音楽活動に励んでいけると思います。
バンド履歴書はいつでも最新版を即提出できることが前提
バンドをやるなら当然のごとく存在しておくべきEPK(Electoric Press Kit)。これが無いバンドは恐らくコネ以外で新規開拓は無理でしょうと言っても過言ではない程にバンドマンにとっては重要な資料になります
就職活動と同じですね。例えばステップアップを目指して大手レコード会社と交渉するとなると何はともあれ履歴書がないと始まりません。もちろんツアーブッキングエージェントとのコンタクトにも必要です。そもそも自身が何者であるかを紹介しないと始まりません。EPKについてはネット上でもたくさんのヒントがありますし、個性的なEPKを作れることもバンドセンス。さらには常にアップデートし続ける必要があります。セールス資料ですから最終アップデートが1年前なんて見る側もガッカリします。英語版と日本語版ともに準備。かなり気を使いますがこれが無いとそもそも知名度のないバンドにとっては売り込みようすらないです。去年(2023年)にCryptopsyのサポートを務めさせて頂きましたがこの件は例外というか奇跡です。我々自身が突然のご連絡とご縁にびっくりしたのですから。通常はあくまでEPKをプロモーターやエージェントに提出してツアーブッキングしていきます。それ以外はコネや友人や知り合いや所属レーベルからのお誘いの範囲。現在、そのような縁が無いバンド&新しく立ち上げるバンド等は是が非でも先ずはしっかりとした「魅力あるEPK」を作るべきでしょう。創作したり、レコーディングしたり、メンバーを集めたり、セルフプロモーションをしたりと普段からたくさんやることはあります。とはいえデスメタルジャンルは己を高めていく修行僧のような普段からの楽器練習の賜物です。ライブでしっかりとした演奏ができることが最低限だと肝に銘じ、そこからさらなる高みを目指しながら次のアルバムに向け創作活動です
ツアープレイヤー
特に国内においてはド長髪での生活や365日24時間好きなタイミングで楽器練習をして、創りたいタイミングで創作を行う。このような生活をするのが難しいです。特にアンダーグラウンドシーンのジャンルにおいては富裕層でもない限り相当なレアパターン。例えば海外ツアーを二週間。平日や土日を問わず出国できる人って実際ほとんどいないです。99パーセントの方たちが日常、会社勤務されていたり何かしらの職に就いています。サブコンシャステラーは奇跡的にフロントマンが365日自由生活。ただドラマーに関してはそういう奇特なプレイヤーに出会うのが難しいです。海外ツアーに向けたブッキングエージェントからのお話はここ数年、沢山頂いていてフロントマンはいつでもスタンバイOKなのですがメンバー全員の足並みをそろえて都合を付けるというハードルが非常に高いです。そもそもデスメタルという地下シーンにおいてそれができるメンバーが揃うこと自体が奇跡。ただバンドが前進していくとなると通る道。SNS上でメンバー募集されているのを見て思うのが地元で毎月スタジオで練習みたいな感じ。我々はそうではないと考えています。平日土日問わず地球上の国をツアーできるような環境のあるプレイヤーを求めています。ただ、そういう人は自らが会社の社長をやっていて自由が利くとか、フリーで普段生活しているでもないと難しいかもです。でもガチで演るならばそう言ったプレイヤーを探し出せることもバンドのセンスです。1994年結成なので2024年の今年は結成30年ですがまだまだやることはたくさんありますね
バンドメンバー
今回はどのようにしてバンドメンバーを構成しているかです
我々の場合は(1)フロントマンは長髪であること(2)生活が自立できていること(3)思考がプロフェッショナルであることの3つです
もちろん老若男女+地球上のどこに住んでいても当バンドはOKです
長髪に関しては視覚(ビジュアル)が聴覚を補完してくれる(創作曲のイメージ)と考えているからです。短髪&短パン&キャップでは我々の創作音楽のイメージを表現できないです。
あとは、個人が各自に目立つ必要は一切無くバンド(名)が健全に育つことを重視しています
バンドは生き物
引退したり、やり続けることが出来なくなったりして、常に変化をしていくものであり、つまりはそういうものだと思っています
例えばですがデスメタルバンドのカニバルコープスやサフォケイションやディーサイド
バンドメンバーの個人名までは覚えてなくともバンド(名)は常に進化し(コアメンバーはいるかもしれないけど)あくまでバンド(名)がとその楽曲群が主人公となります
レコーディングメンバーとツアーメンバーが違うなんてことは世界的には普通ですが国内バンドだとそのメンバーじゃなきゃダメみたいな風潮もありますよね
地球上のバンドはそうではないです。ヨーロッパツアー時のメンバー、アメリカツアー時のメンバーなど現地メンバーがいることもありますし、臨機応変に動いていますよね。これはまさにバンド(名)を基軸とした動き方でありメンバーみんなで動いています
日本もそうなっていく時代がいずれ来るかもしれませんね
無心の力(意識と無意識/身体の反応)
先ずはこちらの動画を(我々のライブ時の模様です)
https://www.instagram.com/p/CzVSQmBpESx/
速い演奏を「歌いながら弾く」事について
結論はまさに件名
歌いながら意識の中で楽器の指板を追うのはスピードが速過ぎて演奏が間に合わないです
まるで150kmの豪速球を打ち返すかのような感覚。とは言え打ち返したことはありませんのであくまで比喩ですがこうなってくると「何をどうするか」という次元を超えて無意識と反射神経で演奏しています
つまりは「身体の反応のみ」
私の場合はですが意識と無意識が交差するような感覚で自意識を強く持つとモタる(遅れる/スピードに付いていけなくなる)、かといって無意識過ぎると何をやっているか分からなくなる
歌いながらになりますのでその部分を言語化するのであれば上記の様な感覚のバランスを上手く取って行くイメージです。理論的にどうすればいいのかは分かりません。青年期からそうしてきました
我々の楽曲、現時点では6弦スウィープにしてもある程度の規則性を持ったリフを弾きながら歌う範囲でやっていますが、これが例えば激しく横移動しながらのスウィープだったり、弦飛びプレイ等を絡めながらシュレッドしていく様な速弾きの曲が思いついてそれが出来てしまったら歌いながら弾けるのかと想像すると…とは言えそれが自分たちの曲であればそれでも演ることになります
当バンドコンポーザーは意図して作る様な作曲が出来ないです
つまりノートにメモ書いていく様な作曲の仕方ではなく、脳内イメージで構成していくのでギターで音を当てようとした時に物理的に無理な指板使いが発生してしまい手指が届く範囲に戻して修正をすることもあります。ですので基本的には「出来上がった曲が出来た曲」になります
曲が出来た後に苦労する(歌いながらギターを弾くのが難しい)ケースはいつもの事ではありますがどうなって行くのかは我々も未知の世界
速弾きギター兼ボーカルのバンド自体が希少なのでヒントやアドバイスを得たくてもなかな難しいところ
良い方法があるのかどうかは分からないですがやはり日頃の練習ですね
【ライブ動画について】
音質もよく、音量バランスも取れた素晴らしいコンサートライブ動画がYoutube等で世にあふれています。いつも羨ましいと思っています。キッチリ加工されてから世に出せていることを。つまりライブ時にパラ(各楽器)で録音し、ミスを修正し、ミックス・マスタリングして奇麗になった状態でアップされています。
しかしながら我々の場合は本番直前に足元に「三脚+iphone」で録画をしてそれをあげるだけ。これをどうとるか。
聴く人にとっては奇麗な音量バランスと音質(加工)でキッチリ修正されてからの方が良いのかなとも。なので上げるかどうかを迷った事も多々あります。
ちなみにそれをやる費用について調べたことがあるのですが我々には難しい面がありました(=高額)。有名なバンドであればプロモーション費用としてエディット代諸々を計上し、しっかりお化粧されたライブ動画を出していますよね、ここがつらいところです。
なお我々が挙げているライブ動画。添付した動画はギターボーカルの斜め前(ステージ内)に三脚を置いてのIphone録画なので、どうしても内音(=ステージ内/ドラムは生音に近い)の録画になります。更にはギターアンプが近いところにあるのでギターも生音(直音)に近く、全体の音量バランスも偏りがちです。
なのでバンドによりますがこういった録画/録音形態ではライブ動画を上げないというバンドも多いかもしれませんが我々は記録として残していきたいと思っています
【デスメタルバンドが成立するということは奇跡の連続】
我々サブコンシャステラーは恵まれています。というのが、そもそもデスメタルが好きで、長髪で、楽器も出来て、作詞作曲もやって、ライブもやる、こんなことっは奇跡の連続で成り立っています。他のバンドもしかり。これはバンド名が主語であることが重要。例えばDEICIDEやSuffocationやメガデス等のメタルバンド。メンバーチェンジがあろうがそのバンド名が主語で活動しています。もちろんキーマンはいるでしょう。ですが仮に誰かが代打で演奏しようが別人がレコーディングしようがあくまで主語&主人公はバンド名です。つまりバンド=グループであり名義が全て。小生、バンドのコンポーザー(作詞/作曲)ではありますが、たとえ自身が将来不在でもサブコンシャステラーを継続して下さる方が居るならば継続を希望しています。それくらいバンド名が主人公です。実際、海外ツアーバンドでメンバーを現地調達することも普通(デスメタル界は殆どが別の仕事をしているのでメンバーによっては都合が付かないケースも多々)ですし、なぜならやはりそれはそのバンド(名)が主人公だからです。好きなバンドに関しては誰がメンバーだろうがそのバンド名で追いかけます。そのくらいバンド名は重い存在です。我々は将来、海外を回る希望があります。つまりサラリーマンだと難しいです。幸いにして当バンドメンバーは全員が個人で独立生活(非サラリーマン)していますので365日を好きにサーキットできますが、これは奇跡でしか成立しないようなバンドメンバーです。この世界の世の中のほとんどのバンドメンバーは普通に働いている方が多いと思います。なのですごく良い音楽を作っていても視界を拡げることが出来ないでいるバンドも多くそのままフェードアウトという悲しい現実も。日本の音楽は相当レベルが高いと思います。ですがそういった突き抜けられる環境がなかったりが往々にして。他にもあるのがやはり肌色。これってあまり書きたくなかったことでもあるのですが黄色人種のデスメタルバンドは基本厳しいです。ヨーロッパやアメリカ等の海外に在住した事がある人はその肌色に対する差別を感じたことがあるのではないでしょうか。デスメタルは白人音楽です。それを突き破るのは相当難しいですが日本人はアジア人種の中でも過去の経済発展や半導体、アニメや日本食などで多少有利には受け取られていますが、ことメタル系に関してはまだまだ発展途上。いわゆる本場のデスメタル国の100倍良質な楽曲やスキルをもってしてもなかなか受け入れては貰いにくいところではあります。ただ、そこに切り込んで行きたいならば365日が自由に活動でいる環境を国内で作っておく必要があります。そんな奇跡の連続なお話でした。
【やればやるほど。でも、好きならやればよい。】
先日、SNSで拝見したのですが「マイナージャンルはやればやるほど時給マイナス」。確かに特にデスメタル界ともなると世界的に有名なバンドですらツアー以外はバイトをしていたり別口で職を持っていたりが大部分です。更にはツアー・ブッキング・エージェントの条件(ギャラ高騰傾向)もどんどん厳しくなってきています(それはつまりチケット代とも相関関係)。バンド側としては普段の仕事を休んでツアーすることになりその期間の生活保障を求めて行かざるを得ないという。ある意味で世界的に有名なデスメタルバンドですら活動継続自体が難しい業界です。今回の我々の新作『Chaotic Diffusion』アルバムについては、世界的に有名なエンジニアのZack Ohren氏(Suffocation、Deeds Of Flesh、Machine Head等々のエンジニア)にミックスマスタリングを依頼、アートワークには世界的に有名なデスメタルバンドや世界最大カードゲームのマジックギャザリングのデザインをしているPedro Sena氏に依頼しています。「えええ?マイナーな我々がそこまで予算を出してどうするの?」といった声も聞こえそうですよね。もちろん利益が出るわけでは無く、デスメタルが好きすぎてやり尽くしています。結局のところ「音楽は好き放題にやり尽くす」です。もしも「音楽で飯を食いたい」ならば、時代に合わせたボーカロイド曲がおススメだと思います。でもそうではないのです。エクストリームミュージックが好きで好きでしょうがない。その結果、バンドを組み、創作をし、ライブをしています、それだけです。とはいえ若い世代でデスメタルが好きで好きでしょうがない、なのでバンドやってるというプレイヤーも希少ですが存在します。そういう人たちへは全力で応援して行きたいのと同時に老婆心ながら別口で経済活動を持っておくことをお勧めします。もともと、経済的成功を収めるのは確率の低いジャンルです、そこに夢を持って活動することは、うらやましいことでもありますが経済活動ができないと精神的に病んでしまうケースが多々あり長年に渡りそれを見てきました。そこでせっかくのセンスを潰してしまいます。何かあるはずですから上手くそれを見つけて末永くやれることを目指して欲しいです。これがマイナージャンルの生きる道だと思います。
【音楽性と人間性】
有名スポーツ選手で異性をはべらせて暴飲暴食など派手に遊ぶ人もいます。芸人も同様。もちろん、才能が物凄くて人間性も素晴らしいに越したことはないでしょう。ですがこのバランスは『先天性』と『後天性』と『ずっと変わらないまま』のどれかとなるはずです。センスある人は往々にしてそのあまりにも繊細な神経を持つことから破滅的な行動をとることも。しかしながらそれを危惧したり周りからの警告などで「いわゆる普通の人」になろうとすると個性消失の憂き目にあうことも。全てを巧くバランスをとってやれる人は経営者向けでしょうね。音楽プレイヤーの場合、やはり繊細な音楽をやってる人たちは突拍子もない言動や激しい思考を持った人も多いかもしれませんが現代ではDTMやSNS等を駆使して冷静な音楽アピールをできるようになったので冷静沈着に動く人も増えていると思います。邦楽ファンに多いのかもしれませんが例えばミスチルが純恋歌詞を歌いつつ、不倫してたのが暴露されファンを辞めたみたいなニュースを見て思ったことが。音楽性と人間性をセットに考えているファンって本物の音楽ファンでは無いと考えています。自身はメガデスが大好きですがリーダーのデイブムステインは薬物中毒でしたよね。でもだからといってファンを辞めるという事にはならないです。あくまで音楽性が好きなのであって、人間性は求めてなくプライベートな情報まで追いかけようとは思わないです。そこまで行くとストーカーみたいな雰囲気も。あくまで音楽を楽しみたいです。逆に創作能力に脱帽できる様な人はどこかネジが大きく1つ外れていることも多いのではと考えています。プレイヤー目線での思考かもしれませんが。例えば某有名スポーツ選手。世界大会で何度も優勝している素晴らしいセンスの持ち主ですがあまりにも神経質で試合中に暴言を吐いたり道具を壊したりもしています。これを見て「普通の人では無い」からこうなるんだろう、でもそれを治すと多分プレイヤーとしては才能をダメしてしまうだろうと思っていましたが実際、その後に経営者となったのですがプレイヤーとしては跡形も無く普通のプレイヤーになっていました。天は二物も三物も与えてくれればよいのですがなかなかそうは行かないようですね。そうなってくると、音楽バンドでの話をするならばメンバー内には、第一に「音楽センスの持ち主が居ること」、第二に「バンドを動かすセンスの持ち主が居ること」、そして第三に「メカやソフトや機器に強い持ち主がいること」。この3つがバンド内に備わっていると機動力、つまりバランスの取れた活動がしやすいのではと考えています。バンドはその歴史/過程ではいろいろな背景でメンバーチェンジが行われます。例えば「音楽方向性の違い」はよく聞きますが経済背景も非常に多いです。学校の卒業だったり、就職だったり、家族が出来たり。他にも遠征公演は難しいとか、平日は仕事で休めないからツアーは出来ないとか様々。さらには我々の様に長髪のメンバーで揃えるなんていうとかなり厳しいです。諸々の全ての関門突破しながら活動をしていますのでバンドの存在自体が奇跡の連続の積み重ねになります。ですので聖人君子を求めてバンドをしている訳でもないです。なんならそんなことよりも創作にもっと力を入れていきたいですしまだまだライブパフォーマンスをしていきたい。ライブパフォーマンスというワードが出てきたので余談としてですが国内でライブを1回やる=10万円単位の資金準備が必要になります、特に我々の場合はメンバーが全国に散らばっていて国内であれば新幹線や飛行機での移動が多くなります。もちろん遠方となると宿泊費用も。そういう意味では都内や大阪在住ですぐにライブ活動できる環境のあるバンドはうらやましいですね。若い世代のバンドでメタル音楽で生活したいという意気込みの素晴らしいバンドもいると思います。長年エクストリームミュージック界を見てきて。参考になるか分かりませんが、自活自立ができる別環境を持った(作った)上で思う存分にやるとよいかなと思いますよ。昔にバンドやってた人で30年後もやってる人って、ほぼ居ないか超希少種です。
【普段の練習】
「バンドプレイヤーが普段、どんな練習をしているのか」これはまさに各人各様ですね。当バンドは全メンバーが独立(個人事業)しているので外出時以外は基本的に46時中、すぐ手が届く位置に自分の楽器がある生活をしています。普段の練習ですが当バンドギタリストを例にお話ししてみます。(1)ライブセットリストを通しで弾く(2)好きなバンドの曲をコピーする(3)弾いているところを動画で録る(4)DTMに繋いで練習を録音する(5)思いついた音階はすぐに録音しておく(6)気になった教則系(ほぼ手の使い方を学ぶ速弾き系)をなぞる。これだけでもあっという間に数時間の練習になります。この中で(3)と(4)は面倒でもおススメです。まず(3)ですが「動画を録る」ことで改善点や弾き損じタイミングやフォーム等の全体的な確認ができます。そして(4)はズレを含めミスをしやすいところ等をPC上で機械的に、ある意味で冷酷に見定め(粗を見つける)ができます。一通り弾いた後にこれらの分析作業をしていくだけでも更に1時間はかかります。そしてその際に気づいた改善点をメモし次に繋げていくプロセスです。「創作は先天性(センス)」ですが「プレイは練習で得ていく」ものが多いです。このバランスが各バンドの個性だとおもいます。例えば思いついたアイデアがあっても、それが弾けなければ実現できないので、やはり創作の幅を拡げるためにも一定以上のプレイスキルは必要になってきます。実際、曲を作る際はすぐに弾けない様なギターリフが多いです。いわゆる手癖ではない動きで創りたい、それは自身の今後のスキルアップにもつながっています。ギターを巧くなるために自身の曲を手癖では無い方向で創って行く感じです。(2)についてはリフレッシュも兼ねています。他人が創るギターリフがどのような運指で作られているのかを分析できます。個性を垣間見れたり癖があったり新しいことにチャレンジしてるんだなとか色々見えてきます。(5)については日頃からの創作ストックです。ただ、実際はほとんど使われずに消えていくリフが多いのですがこれも習慣の1つです。こういった感じで普段練習しています。余談としては「機材をさらに良くしたい(改良したい)観点」からYoutubeや楽器屋HPなどの機材紹介もよく見ています。
【創作なのかライブ活動なのか】
表題、バンドマンにとってはどちらも(創作もライブも)MAX値で活動可能なら理想ですがややもするとアンバランスにもなりがち。それを前提にお話ししますが、やはり「創作品ありき」です。もちろんバンドの方向性にもよりますが活動の幅を拡げたいならば地元ローカルで100回ライブするよりも国内なら東名阪や、海外でのライブ1回の方が確実に拡がります。でもやはりバンドとしては支えてくださる地方の方々へもタッチできるツアーはやりたいのがやまやまなところです。もっと原点に戻ると「曲が無いのにライブだけはする」のもやはり幅を狭めると感じています。結局はバランス感覚に行きつくのですが我々の方向性としては作品ありきです。「作品を発表するのがライブである」という結論です。あくまで我々のペースですが1年掛けて創作&ミックスマスタリング&リリース準備、次の年に作品の発表会(ライブ)を行うという具合にサイクルをもってやれて行ければと考えています。とは言えこのサイクルですら実際にやってみるとかなりの準備量となります。ですので矢継ぎ早に作品を発表しつつ精力的にライブ活動もされているバンドにはいつも頭が下がります。とはいえマイペースを崩すと全体が崩れますので我々は我々のペースを保っていきたいと考えています。サブコンシャステラーのぺース配分としては、2020年に「Reprogramming」アルバムをリリースしての2023年に「Chaotic Diffusion」のリリースですから1.5年で創作&リリース準備期間、1.5年をリリースライブ期間という感覚になりますね。亀足ですが長くやっていければと思います。
【日本と海外の違い/バンドメンバー/考え方(その2)】
続きです。いわゆるバンマス。バンマスは一人三役五役あたりまえの資質が必要。そういう人がリーダー(バンマス)になることで諸々が解決しやすくなります。あらゆる機器を使いこなすべく学びを続け、レコーディングからブッキングからライブセットリストからプロモーションから衣装に至るまで全方向でうまくまとめて行く必要があります。これが出来るか出来ないかがとても重要。もちろんメンバーの普段の経済生活(生活基盤)がしっかり出来ているかも相互確認が必要です。デスメタルで飯が食える訳ではないですし、特に我々の場合はフロントマンは長髪必須です。一般企業勤務のサラリーマンはまずできません。そういった諸々条件を踏まえつつ、さらには次のアルバム創作だったり活動方針だったりを常日頃考えています。こんなに大変なことをよくやるなと思う人もいるかもしれませんが「好き」が勝っています。バンド毎にカラーがあるので短髪短パンのビジュアルでも全く問題ないと思いますが、我々は自身の音楽性とビジュアルをイメージマッチさせるために黒服に長髪というスタイルにしています。海外に目を向けると海外のデスメタルバンドがどのようにして「自由に活動をしつつ、しかも長髪で生活しているのか」を調べてみると大体のメンバーが起業家だったり、超一流企業役員で行動に自由があったり、他にも大学教授で髪の毛が伸ばせ、学校の春休みや夏休みはツアーに出ていたりと環境整備を上手くやれている人が多いです。つまりデスメタルの様な市場で活動する場合は音楽センスや楽器スキルだけでなく「環境を整備できている人」がプロフェッショナルプレイヤーとして精力的に活動しています。近年、国内でもだんだん気づいてきている人も増えていますがエクストリームミュージックをやりたいなら「存分にやれる環境を作れているかどうか」です。これは創作センスと同じくらいにメンバー全員に必要なセンスだと思います。それができるバンドは強いですね。
【日本と海外の違い/バンドメンバー/考え方(その1)】
結論から述べますと「日本では近隣に住んでいる人とバンドを組む傾向」、「海外ではメンバーが国を跨いでいようが普段どこに住んで言いようが関係ない」です。我々サブコンシャステラーは全員住んでいるところがバラバラです。合流時は新幹線レベルの遠距離です。(一番離れているメンバーだと800km離れています)ですが活動には全く問題はありません。「毎週みんなでスタジオに入って合わせないと~」はうらやましい反面、もともとプレイ技術は個人のスキルです。つまりスタジオで合わせるというのは息を合わせるだったり一体感だったりの最終確認作業。スタジオでスキルを上げて行く訳では無いのです。国内ではここを誤解しているケースもありそうです。海外の有名デスメタルバンドは普段住んでいる国すら違うというケースも普通にあります。そもそもの個人スキルを整えておけば、極端な話、1年振りに集合してライブ当日のリハーサル時に曲を合わせるでも各人が普段からしっかりトレーニングをしてプロフェッショナルな演奏レベルを持っていれば問題ありません。我々もそれに近いタイプですがそれでも日本人性格からか、やはりライブ前には合流してスタジオ練習しています(それではまだ甘いのかもしれません。プロ意識ですね)この点についてもう少し深堀してみます。そもそも音楽性やビジュアルやバンド方向性(ローカル活動なのかグローバル活動なのか等)が噛み合うメンバーを近隣で探すこと自体にハードルがありますよね。そこ(近隣住民で探す)に拘ることでメンバーが見つからず永遠に活動ができないなんてもったい無いです。それならばもっと思想が近い人を距離拡大して探せば行動が実現しやすいと思います。一時期、我々は海外を含めてメンバーを探していたこともありました。つまりメンバーは地球上で探すものだと思っています。バンドをやりたいけどメンバーが見つからないという人はそういう風に視野を広げてみると良いかもしれませんね。(続く)
【楽曲創作(手法)について(その2)】
楽曲創作はデジタル/フィジカル等で残っていくものなので悔いのないように毎作品、めいいっぱいのパワーを使って創ります。完全に自分の世界に入ってしまっている時はお昼からレコーディングを開始、次の日の夕方まで一睡もせずにレコーディングを続けていたこともあるほどでしたので、それこそ完パケ時は魂が抜けるほどです。そこまでやらなければと思ってしまうのは少し変かもしれませんがバンドはバンド(名)が主人公であって各個人が目立つ必要はないと思っています。何十年と存在するバンド名を汚さないようにという「想い」なのかもしれません。例えばカニバルコープス。メンバーが誰であってもカニバルコープスです。ボーカルがクリスバーンズが居たころの昔のカンニバルコープスと現在のジョージフィッシャーがボーカルを取るカニバルコープス。やはりカニバルコープスです。バンドは組織。我々の理想はメンバーやコンポーザーの死後もSubconscious Terrorの活動が続くことが本望です。現役の内に残せるものは残しておこうと楽曲創作の手法も残すことで何かのヒントとしてです。楽曲創作についてもっと深堀りすると「具体的な最終歌詞にはなっいない脳内のイメージ歌詞」と「ギターリフ」の2点から楽曲を構成していきます。その際にリズム、いわゆるドラムバッキングの様なものを創るのです、これもほんとに最初は大雑過ぎてお聞かせできないような代物。まずメンバー全員にそのラフデモを送り各自が清書をしていくような感じです。そして徐々に曲に肉が付いていきます。その際は大まかなTAB譜(ソフトはギタープロを使っています)を作り、曲を弾いている動画をIphone(携帯電話)で録ってメンバーに送り、その雰囲気を感じながら確認する流れです(ブルータルな鬼気迫る雰囲気のパートだったりテクニカルなパートだったり)。あとは各パートにお任せ。あくまでルート的なラフデモです。このラフデモを元に「自由に弾く」、「自由に叩く」が我々の創作手法。各々担当パートが好きに奏でることが曲に対する自信にも繋がります。そしていよいよ「ラフデモ」が「構成の完了したデモ」になるのですが、今度はそれを元に正式レコーディング。レコーディングの録り方についてはドラムはMIDIレコーディングし、弦楽器はDry音(生音)レコーディング、ボーカルもDry音(生声)レコーディングです。そしてミックスの際、ギターであればディストーションエフェクターを掛けたり、ボーカルであれば少しエコー(スラップバックエコー)を掛けたりしています。この生音レコーディングは粗がすぐ目立つのでホントキツイのですが、これもスキルアップトレーニングとなっていますね。DTM上(PC上でのレコーディング音源ファイル)では下記の添付の様な感じです(曲名/Cyberneticsのレコーディングファイル画面)。添付写真を見るとボーカルのところはBパターンとかCパターンとかDパターンとか色々ありますが何度も何度も録り直しその中での生き残り候補を残しています。あと気を付けなければならないのが、どこまでを求めるかです、つまり肉付け等をやろうと思えば完パケ前はいくらでも変更が出来るわけですがそれだと終わりがありません。これ以上は曲をいじらないと決めたら(納得して)そこで完成です。ハマる人はここで沼に陥りやすいと思います(いや、ここはもっとこうしようとか、これに変えようとか)ちなみに我々ライブ時はシングルギター。ですが音源はステレオサウンドですので全曲のギターを2本レコーディングします(つまりギターを2回レコーディングする必要があります)これも究極にハマりやすい(終わりが無くなる)のでこちらも気を付けるところですね。ギターソロ掛け合いの曲もありますがレコーディング時は一人で掛け合っています(笑)我々はこのように創作しています。
【楽曲創作(手法)について(その1)】
楽曲創作の方法について。他のミュージシャンがどのように作曲をしているのか分かりませんが色々なやり方があるのだと思います。我々のケースでお話してみます。90年代の頃はラジカセにギターリフを録音しながら構成を組んでいました。現在はDTMで構成を組んでいきます。ではどのようにして曲を創っていくのか。あくまで当方のやりかたではありますが、ギターを持った状態で脳内で音階イメージしながらその浮かんだアイデア音をギターで「当てて」いきます。とは言えイメージで創るので弾けない箇所が出てくる事も多いです、つまり無理な弦飛びや無理なフレット移動があり、そもそもそこに手/指先が届かない等。そこから形にしていきます。30分くらいで一気に書きあがる曲もあれば2週間以上突き詰めていく曲もあります。これがなぜなのか。恐らくですが精神的なもの(感情)だと思います。自分でもはっきりしませんが、一気に書きあがる曲の方がスマートである場合が多く、詰まる曲はさらに難しく考えてしまい煮詰まっていくこともあったり、結果的にお蔵入りしてしまう曲もあります。なのでやはりバランスでしょうね。曲の発想についてよく言われる「影響を受けたバンド」に関し。当バンドは初期メタリカ、初期スレイヤー、初期セパルトゥラ、初期カーカス、初期カンニバルコープスあたりの影響が挙げられます。当時10代/20代(青年期)にリアルタイムで聴いてきた音楽群です。ただ、だからと言って我々のサウンドと上述の彼らのサウンドは似ても似つかないですよね。これがなぜなのか、どの様にしてギターリフ等の音階を思いつくのか。やはりイメージ力。例を挙げてみましょう。新作の「Endurance Battle」という曲を例にとります。この曲は日本語で「耐久戦_狂気の沙汰」という曲名です。以下へ元の日本語の歌詞を貼ります。
歌詞を見ると一目瞭然ですがこの曲を創作当時はコロナ禍だったのですが精神的にも「迫りくる不安」、「思想分断」、「何が正しい情報なのか分からなくなってきていた潜在的な恐怖」、「有限時間(迫る老い)」、そういった背景から強く『時限』をキーワードに感じていたのですがそこから着想し、ギターで「時報」(に聴こえる)リフを創りました。開放弦の刻みと高音のピッキングハーモニクスで構成し、曲中ではその箇所がまるで時報に聴こえるように。さらには曲タイトル「耐久戦」の意味するところですが歌詞だけではなく、実際に演奏がキツイです。耐久戦リフです。どういうことかと言いますと楽器をプレイされる方であればご理解いただけるかもですが、低音弦をひたすら横移動しながら永遠ミュートで刻んでいます。今でこそ慣れましたが手が追い続かない程に弾き続けることが苦しい軍隊訓練のようなギターリフです。ちなみに創った時点ではどの曲も全然弾ききれないです。これはいつもそうです。やはりイメージで音階を創る為、つまり手癖で曲を作らないが故に自分で創作しているとはいえども毎作が一曲を通して弾けるようになるまで相当なトレーニングを要します。むしろこれがスキルトレーニングにも繋がり次作アイデアへのきっかけ(演奏幅が広がる)にもなっています(続く)
【日本のバンドが海外も視野に活動することとは(その8)】
前回は「バンド自身、プロモーションできることはしっかりやった方が良い、駆け出しや無名のバンドに対してはそれも見られてますよ」という所までの内容でした。本編(その2)の時にも少し触れました「現代の世の中では数字が結果」として見られてしまいます。たとえどんなに一生懸命に曲を作ろうが、どんなに素晴らしいライブパフォーマンスをしようがレコード会社にとっては「数字の結果」が全てです。なぜならビジネスだからですね。この部分は我々の様な、どちらかというと社会性に欠けている人間からすると「そんなの関係ねー、俺たちは俺達なんだ!」となりそうなところではあります。ただ現在の競争社会ではたとえ”したたか”でも良いので上手く潜り抜けながら。自分たちのやりたいことをやるためにと思えばきっとやれるはずです。審査の厳しいところ(いわゆる大手)だと例えばフォロワー数が1万以下だと曲を聴いてもらえるどころか、全く相手してもらえない(門前払い)ケース。バンマスは「個人会社経営者」であることをしっかり自覚し俯瞰しながら進めていく必要があります。プロモに関して良かったことがあります。新作「カオティックディフュージョン」アルバムでアジア最大のエクストリームメタルレーベルであるBrutal Mind社と契約した事で我々がでやれる範囲以上の出来事が起こっています。先日先行でリリースしたデジタルストリーミング。現況のダウンロード数はヨーロッパが一番です。これはかつてないことでした。まさにワールドワイドリリース契約の恩恵です。セルフでリリースするのとは雲泥の差で、海外メディアからインタビュー依頼を頂いたり、知らないところで記事やレビューを書いてくださったり。これは後から分かることですがとても重要な事です。海外でツアーしたいとかを計画するならばアーティストビザを申請するのにもこういった評価記事を含めて必要/重要になってきます。(昔はあったかもしれない、観光ビザで入国してシレっとライブ演奏してくるはこの時代厳しいはず。ちなみにですが検閲の厳しい国ではパスポートやバンド資料の他に当日ライブ演奏する「歌詞」の事前提出も求められます)諸々含めて我々にとっても貴重な体験をし始めています。ということで、さてここからどうするかですね(未知の世界へ続く)
【日本のバンドが海外も視野に活動することとは(その7)】
続きです。その「逆輸入」をトライしたい(どうなるのかを知りたい)と思ったので自ずと海外レーベルを探すことに。今回の新譜が正にそうなりましたがレーベル探しの際、心中では「今作は海外レーベル契約するまでリリースしないという強い決心」で望みました。結果的にあっさり決まったことは嬉しい誤算でしたが「逆輸入トライの結果」がどうなったか、そして「どう感じたか」についても今後つづって行きたいと思います。バンド活動の全ての源は探求心(どうなるかを知りたい)からきています。話が長くなりましたが早速、バンド活動者にとっては気になるであろう「実際のレーベル探し」(どうやって契約まで辿り着いたのか)のお話に移ります。まず(その2)で書いた通り、完パケ状態の音源を海外レーベルに送るのが前提ですが、闇雲にバンバン送るのでは無く先ずはそのレーベルカラーをしっかり見てみると良いと思います。例えば各レーベルのHPには契約リリースバンド群がいるわけです。そのバンドのサウンドを沢山聴いてみてそのレーベルにマッチしているかどうかを考えてみてください。極端な例ですが演歌レーベルにまさかデスメタル音源は送らないですよね。ただデスメタルのレーベルも現在は細分化されておりレーベル毎にサウンドカラーがありますので、その中からさらに自分達の音と合う会社を探すことになります。その他、例えば流通を気にするならアジア、ヨーロッパ、アメリカへの流通経路はどうなっているか等確認。更には契約がリリースだけのお話なのか、プロモーションはしっかりしている会社なのかとか、もし可能であれば会社の経営状況まで確認したいところです。これはつまり就職の採用面接の様に考えると良いと思います。入りたい会社があればその会社の概要等細かく調べるのと同様。当方は事前に30社くらいのレーベルを調べました。その中でも第一候補として一番最初に音源を送ったのがBrutal Mind社。幸運にもそのまま第一志望の採用面接に通ったという具合で新作「Chaotic Diffusion」がBrutal Mind社からのワールドワイドリリースとなりました。ちなみに「送るデモ(完パケ音源)」はプライベートリンクにUPした音源でOKなところもありますが、フィジカルしか受け付けないレーベルも多いです。フィジカルしか受け付けない所へはサンプルCDを作り資料と共に海外レーベルへ郵送します。(フィジカルしか受け付けないレーベルにも理由があります。リンク音源でのデモ送付を受付OKするとレーベルのPCがパンクするほどに毎日沢山のデモが送られてくる為です。業務支障防止策)経験上ですがフィジカルに関しては送った後、おおよそ二週間くらいすると縁があったかどうかの回答連絡がメールで来ます。もしもそこでたとえ縁が無くとも重要なのはその際のメール内容をしっかり読み取ること。今後の工夫の仕方を学べますし糧にもなりそこから沢山の事も学べます。もちろん御礼メールも忘れずに。内容に関しては丁寧に返信くださるところもあれば、年度リリース(予算)が立てこんでおり次回また送ってくださいという内容だったり、稀ですが受け取りすらして下さらないところもあったり、他には何もリアクション無くフェードアウトするところもあります。この辺りは各レーベルのやり方もあるでしょうしバンド側は冷静淡々と進めるだけです。我々は幸運にも第一志望に合格しましたが、やはり相思相愛(自分達の音楽とレーベルカラーがマッチする)であることが重要です。その後、実際にBrutal Mind社長と契約詳細を決める時もトントン拍子でした。まるで以前から知り合いだったかのような息の合う、まさに阿吽の呼吸。やはり今や飛ぶ鳥を落とす勢いで規模拡大中のBrutal Mind社ということもあってリアクションも非常に速いスピードでの契約となりました。こちらとしても心情的にレーベルに対する感謝の念も高まりますし出来る限りの恩返しを一生懸命やろうという気持ちも強くなります。プロモーションも我々がやれる範囲のことはしっかりやらなければというプロ意識も更に芽生えますね(続く)
【日本のバンドが海外も視野に活動することとは(その6)】
ようやく本題とリンクしてきました。結論から書くならば日本のデスメタルシーンは逆輸入です。ご存知の通り、国内は相当コアなファンとデスメタルをやってる本人達の行動で支えられています。まさにDIYアンダーグラウンドシーン。これは30年以上に渡ってほぼ変わらずですよね。それがある日に突然変異するなんていう事はなかなか難しいです。良し悪しは置いておいて特に国内メタルシーンでは「邦楽ファン」と「洋楽ファン」のような、、もっと言葉を選ばずにいうならそこに区別の様なイメージがあります。もっと乱暴な表現をするならば洋楽は聴くけど邦楽は認めないのような。そこのクロスオーバーしている方達が国内デスメタルシーンのファンもしくはバンドマン本人。そのハードルを取り除きたければつまり逆輸入。海外ファンが日本のバンドに目を向けてくだされば自ずと国内でも視界に入ってきます。将来万が一でも当バンド自身もが盛り上がるようなことがあればそれは嬉しい限りですがそれがシーン。野球もそう、メジャーリーグで活躍すると日本の野球はレベルが高いとなります。もしかしたらですが我々日本人は母数的にメディアを含めて流されやすい、とても実直で言われたことをとにかく信じるという民族なのかもしれません。日本人ギタリストでリスペクトしているYo-Onityanという方がいらっしゃいます。強烈なテクニカルギタリストで日本で一番ギタープレイが巧いのではと。実際に特に海外では大変リスペクトされています。ですが日本ではテレビで見る様なひっぱりだこギタリストかどうかというと。つまりそうなんですよね、シーンが無いところでは「魚のいない海で釣りをする」ようなもの。国内デスメタルバンドは絶滅危惧機種です。考え方次第ではありますがバンドマン自体、それが結果的に「(活動が)続かない」が見え隠れします。承認欲求も含めてですがどこまでやっても現状はそこまでなのです。たとえ「世界で一番のデスメタル名曲を創った」としてもです。我々の様なマイペースバンドは失礼ながら出現がレアキャラなのですがそれは息切れせずに細々でも長くやっていこうというスタンスから来ています。無理すると難しくなりそうで。なのでバチバチにやっている(活動)バンドさんは本当にすごいと思います。そのあたりは我々は俯瞰しつつ試行錯誤しながらやっています。感覚的な話ですが、そうではない思考を持った活動バンドはどこかで崩壊したり長続きしないことも多いような気もします。ましてやビジュアルが長髪のメタルバンドだと普段の経済生活(仕事)はどうするんだとか、若いうちは良いけど歳取ったらどうするんだとか迷いも生じやすく、せっかくの若い芽や先天性の創作センスがその過程で失われる場合も。長くやるなら生活基盤をしっかり整えつつタイミングも見つつだと思っています。それはやはり準備にどれだけ賭けれるかです。逆輸入の話に戻りますがアンダーグラウンドシーンではやはり地球上の70億人を相手に1人でも聴いていただけるようなチャンスを作ることがシーンに対して一番有効であると考えます。そもそもデスメタルという音楽は「売れるとか売れない」とか、そんなことを考える余地もないジャンルですからいかにシーンの一助となれるか、そのための逆輸入だと考えています。(続く)
【日本のバンドが海外も視野に活動することとは(その5)】
いよいよ創作品(アルバム)を世に出す為の準備のお話です。色々なやり方がありますよね。デジタル版ならItunesやbandcampやspotifyなどに登録すれば簡単に誰でもリリースできます。YouTubeにUPする事もそうですね。CDだってネットでプレス工場屋さんを探し見積を取ってオーダーすれば刷れますよね。ここで当方が色々考えたのが流通に関してです。セルフリリースしバンドのHPやライブ会場で聴いていただく(気に入ったら購入頂く)パターン。これが前作「Reprogramming」のやり方でした。(※CDショップさんに置いて頂いたりAmazonや楽天市場などのECサイトも利用しましたが)そして今回の新作はやり方を変え、Brutal Mind社と契約してのワールドワイドリリース。どうしてかというと、前作時にどうやって我々を見つけてくださったのか、わざわざ海外からもCDやシャツを売ってくれという対応が多々ありました。無名バンドながら非常にうれしかったのを記憶しています。となると、地球上にはもしかしたら我々の音楽性を気に入って下さる方達が他にもいらっしゃるのではと。もちろん、バンドは知名度が上がるほどに活動もしやすくなるわけですから、新作「Chaotic Diffusion」については世界リリースしてみようと考えました。さらには国産デスメタルバンドであるSubconscious Terrorが海外でどのように評価されるのか、冷静に知ってみたいという探求心です。ちなみにBrutal Mind社は優良レーベルです、経営も健全、そしてUSにも支社を作り、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのアジア最大のエクストリームメタルレーベルです。実際に社長と多くのやり取りをしてみて海外では珍しいくらいに実直な方でした。日本人に近い思想の持ち主で馬が合うといいますかとにかく気持ちよい打合せでの契約&リリースとなりました、感謝です。その後はレーベルに恩返しをしたいという気持ちがさらに強く芽生え、バンド自身でもしっかりプロモーションしなければという気持ちになりました。(さらに続く)
【日本のバンドが海外も視野に活動することとは(その4)】
話が主題から脱線してきていますが、完成音源の受け渡しってどうしてるのかを念のために。一般のリスナーの方で興味があるかもしれないのでこういった話をしてみます。結論から言うとDDP(Disc Description Protocol)、つまりデータ劣化のないCD用のマスターデータでの受け取りです。ミックスの後半には曲毎のイントロからフェードアウトまでのタイム(例/A曲3分30秒)も決まりますのでその間にISDR(International Standard Recording Code)を取得しておきます(申請して数日で取得できます)。ISDRとは曲毎の国際標準識別コード。それをエンジニア氏に伝えておくとDDPを受け取る際にアルバムタイトルから1曲ごとの識別までを全てDDP内(電子媒体内)で完結しますので、そうなるとあとはそのDDPデータをそのままCDプレス工場を出せばOKです。これはある程度の規模のレーベル契約を獲りたいバンドさんには是非お勧めです。レコード会社としてもDDPデータを貰うだけでプレスできるわけですから手間がかなり省けます。その後はCDDB(Compact Disc Database)も登録します。これは例えばリスナーさんがCDをPCなどに読み込んだ時に曲名が表示されるようになりますのでバンド側としも必須の対応であり聴いて下さる方も安心&便利ですね。バンドマンにとっては自然で普段やってることかもしれませんが、興味ある一般の方や今後バンド活動をされていく方達への参考となれば幸いです。この知識に関しては前作「Reprogramming」アルバムのリリース時に学びました。自身でレーベル登録(STJ)をしたのですが、その際に何をしたらよいのかを細かく調べま実際にやってみて経験を通じて学んだことになります。もしかしたら別のやり方もあるのかもしれませんが現状は特に不都合はありません。そしてようやくですが、自分で自信をもって創り、まさにやりたいことをやり通した「創作品」を世に出すための準備が始まります。(続く)
【日本のバンドが海外も視野に活動することとは(その3)】
前回の内容に出てきた「数字を見られている」の部分ですが、あくまでこの部分はバンド毎の方向性次第です。曲を作り、練習し、集大成として音源を出しライブ活動をする。バンドによってはこれで十分ということもありますし、音源を作れれば本望という考え方もありますし十人十色です。そのバンドがどの様な活動をしたいかです。まさか「デスメタルでご飯を食べていく」なんて人は殆ど皆無でしょう。であれば自分たちの好きな様にやることが一番ではないかなと思っています。我々の例で言えば今回の新作のミックスマスタリング担当がZack Ohren氏。SuffocationやDecrepit Birth、Mashine Head、Immolation等、錚々たる一線級のエクストリームメタル担当の世界的著名エンジニアです。「この人にミックスをやって頂いたらどんな音になるんだろう」を知りたかったので依頼しました。期間中は毎日が本人との直接やりとりですし、音楽に対してどんな考え方をしてどんな進め方をするんだろうと興味津々でしたのと沢山の事(メソッド)を吸収できました。これもやはり上述の通りですが「好きな様にやりたいからやった」なのです。他にも現Cannibal Corpseのギタリストでエンジニアでもあるエリックルータンにもコンタクトをとりました。今回はタイミング合わずでしたがこれも同じく、デスメタル界のトップの人から何か吸収できるものが無いかとの探求心からです。つまりは「やりたいからそれを貫き何かを学ぶ」です。実は「数字はあるに越したことがない」に関して失礼ながら今回実験的に担当エンジニアのZack氏へはあえてRec音源とプロフィールだけを送り「ミックスして頂けませんか」と反応を見てみました。さすがでした。結果、純粋に曲を聴いてそれを気に入り引き受けてくださり受けてくださること。とても幸運でした。でもこれがもしも商業向けメインのエンジニア氏で人によっては「あなたは今、どれだけ人気あるの?フォロワー数は?」なんて場合も。そういった話が出た時点で我々は依頼しませんがZACK氏は気持ちよく日々連絡を取り合いながら対応くださいました、感謝です。(続く)
【日本のバンドが海外も視野に活動することとは(その2)】
ただでさえデスメタルの様な少数派で極端な音楽ジャンルですが、とは言え聴いていただけるチャンスを作れているかどうかはバンド側の責任だと思っています。曲を作ったからあとはリンクに貼っておくから誰かに気づいてもらうのを待っているでは殆ど聴いてももらえないでしょうし、そもそも見つけてすらもらえないです。積極性を持って活動したい事が前提ですがこの部分はバンド側に問題があると自覚したほうが良いと思っています。なのでそれも込みでしっかりやり切れているか、特に海外大手レーベルを探す様なバンドは見られていますよ。そこから活動の幅を拡げられる可能性もでてきます。レーベル契約については、完パケを送らないと意味が無いと経験しています。デモ段階やミックス前などはレーベルに送っても無理ゲーです。これは仮にご自身がレーベル担当者であれば分かると思います。毎日の様に素晴らしい音楽サンプルが世界中から送られてきている訳です。採用担当としては中途半端なものをゼロから育てる様なことはしません。既に世界的に知られていてわざわざ予算が立てられる様なバンドでも無い限りです。そうなると希望レーベルに曲を聴いてもらうにしても完パケが必須です。そこからアー写含むすべての資料を併せて添付し想いを伝えます、まずはそこからです。そして音源や資料などを送った後どうなるかというと、あくまで実際の我々の経験上ですが大体のレーベルからは何かしらの返信がきます。結果的に契約に至らなくても。やはり各社レーベルの印象もありますし応対はしてくださるところが多いです。ちなみに厳しいことを言うと少し上記の話に舞い戻りますがレーベルサイドは「自分たちでどこまでやってきているか」を数字で確認するケース。大手ほどそうですね。例えば音源を送ると「君たちは今、何人フォロワーいるの?」とみられます。資料と共に自分たちの主要なSNSリンクを送るわけですがこの時点で例えば「SNSをやってない」とか「フォロワーが全然居ない」等はデメリットとなる可能性が多々あります。今の時代、レーベルがバンドをゼロから育てるという事は無いと言い切っても良いので「これまでに自分たちがどこまでしっかり熱意をもって活動しているのか」を見るのにSNSの数字が活用されるケースは多いです(続く)
【日本のバンドが海外も視野に活動することとは(その1)】
表題ですがYOASOBIやBABAYMETALの様な国内大手からの海外進出ではなく、我々の様なアンダーグラウンドシーン、ましてやデスメタルという極めてマニアな音楽で活動していくというのは殆どイメージが付かないといっても過言ではないでしょう。そもそも我々の様なジャンルのバンドが成立すること自体が奇跡の連続です。長髪で楽器スキルトレーニングを続けながら志も同じで更に気も合うなんて無理ゲームなレベル。そこからスタートする訳ですからそもそもデスメタルの様なバンドが存在することすら希少なのかもしれません。それでもやる人はいるわけです。まさかこれで食っていこうなんて事は無いでしょうし100%に近い方が「好きでやっている」しかないはずです。だから「やりたい放題」やっていかないと続かないのです。幸い我々はメンバーに恵まれ活動していますが例えばメンバーが1人でも一般企業に勤めているとか、長髪にできないなど楽器スキル要素以外にもそういった制約だったりバンドの(音楽を含めた)イメージに対しても様々なハードルがあります。我々は音源を買って下さる方やライブに見に来て下さる方、つまりその為にお金を出して消費下さる方々に対しそれ(曲だけでなく外見的なイメージ)も込みだと思っています。例えばサンダル短パン短髪でファンの皆様と会うような事は曲のイメージも含めて我々にとってはイメージとしてはありません。プロとアマの定義の話もありますが趣味以上で活動している限り、さらには相手からの消費(マーチやチケット購入)が発生する限りガチプロの姿勢が最低限だと考えています。それらを踏まえようやく本題についてですが今回幸運にも海外レーベル、それもブルータルデスメタルの名門レーベルであるBrutal Mind社と契約しました。我々は無名バンドです。そこから辿り着くために全方向で動いてきました(続く)
【参考/現代デスメタルバンドの立ち上げについて】
中高生大学生でガチバンド活動をされたいという方向けの内容になるかと思いますが、「音源制作~レーベル立ち上げ~リリース」までのキックオフ的な部分、それから後半は精力的にかつどうされたい若手バンドさんへの参考助力になればと思い我々1994年結成からの数十年ぶり、2019年にバンド再結成し活動再開した際のここ一年で学び経験してきた内容を元に以下へ投稿してみます
(※1994年に結成した時はまだ学生で、当時はあれあれよとレコード会社所属になったので音源リリースや流通等のプロセスついては何も分からず、すべてレーベルさんが準備して下さった中でのリリース活動でしたので何もわかりませんでした)
<2020年春リリースのアルバム「Reprogramming」の制作段取り>
(1)リリース音源の制作についてはDTMを使用し、ドラムはMIDI録音、ギター&ベースはドライ(生音)録音、ボーカルは防音設備の整備されたスタジオで行いました
(2)録音データをエンジニア氏に依頼しミックスとマスタリング
(3)アートワークは海外のデザイナー氏へイメージを伝え制作
(3)出来上がった音源(Wavファイル)を元にMV制作
ここまでの(1)、(2)、(3)に掛かった時間軸ですが、曲作りに2か月、録音に2週間、ミックスマスタリングに2週間の計3カ月といった具合です。そして、次に自分たちでレーベルを立ち上げる方法ですがレーベル名とレーベルロゴを決めてISRC(日本レコード協会)に入会、各曲毎に申請し著作権番号取得(国際標準コード)、更に流通システム開発センターで事業者コード(JANコード)取得。これで基本OKです。
(5)CDプレス工場さんへ、上述で取得した番号の告知も含めへプレス依頼、他にTシャツやステッカー等あれば制作依頼
(6)配給会社さんへフィジカル(CD)やサブスク配信等に対する流通依頼
(7)オフィシャルHP準備やリリースライブ告知等
上記(5)、(6)、(7)でかかった時間軸は合計約1.5カ月
なお楽曲制作期間を含ず完成音源がある状態からならばレーベル立ち上げ、音源プレス、配信契約までトータルで一カ月くらいあれば可能かもしれません。そして音源をリリースし国内活動後、例えばそののちに大手レコード会社であったり、大きな舞台でライブをしたいと理想ある10代の方々もいらっしゃるかと思いますが、先ずは自分で全部やってみると。そうすることで業界の流れを知れますし学べる事も多々あるかと思われます。モチベーションも更にあがります。もちろん素晴らしい曲を作る、ストイックにスキルを磨くことも重要ですが、そういった業界トータルの流れもあらかじめ知っておく、学んでおくことで人生経験としての自信にも繋がるのではとも思います。その他、海外志向メタルバンドの方への参考ですが、まず、有名海外フェスは大手レーベルに所属していることが前提で出演が振り分けられることが多いです。なので自己レーベルの場合は門残払いか逆に出演料を払う(プロモアクト)といったケースも多いようです。そういう意味ではセルフプロデュースレーベルの場合、海外有名メタルフェスへの出演はなかなか難しくなります。もちろん個人レベルで出演交渉可能なフェスもありますので調べてみるといいと思います。海外ブッキングエージェントについても大小さまざまあり、取り扱いが大手レコード会社所属バンド前提だったり、逆にバンド個人でも交渉可能なフェスなど色々あります。路上でコツコツ10年やり続けることもリスペクトしていますが、音楽も「知ってもらうプロモ」は重要で、その努力も「音楽センス込み」だと思っています。その部分については各バンドの姿勢次第かと思います。もし戦略的に行きたい、でもやり方が分からない、ということであればミュージックコンサルタントさんも存在しますので調べて相談してみるのもよいかもしれません。いずれにせよ海外志向バンドの場合は英語が必要なので、今からでもガッツリやっておいたほうがよいと思います。その他、日本のメタルバンドが「海外大手レーベルからのリリース」となると、コネでもなければ、その会社に100回アタックするくらいPRし続けることかもしれません。その会社に飛行機で飛んで実際に訪問し、直談判し相思相愛になれるまで。広く活動を望むバンドプレイヤーならばは「そこまでの努力を含めての音楽愛」だと思いますし、センス、スキル、楽曲、進め方、成長、すべてに費やせるのか、もしくは趣味としてか。もしも、めでたく海外大手リリースとなれば祝ですが、ご存じ通りデスメタル界の市場規模やレーベル運営上のことを考慮すると、いわゆる印税をいただくまでに辿り着くのは「かなりのハードル」です。「理想が叶ったからいいや」であれば別ですが、場合によっては国内外ツアーをしながら、自転車操業だったり、ひたすら借金を重ねる泥沼なんてことも。そういう意味では「普段の生活とバンド活動ができる環境作りをしておくこと」はとても重要だと思います。そうすることで皆さんが愛してやまない音楽を末永く創作しつづけられるのではと。以上ですが、何かのヒントになれば幸いです。~2021.3.15記~
2020年3月20日店頭リリースニューアルバム「リプログラミング」の制作過程
・2019年9月,オリジナルメンバーとの会話の中で SUBCONSCIOUS TERROR復活計画 (Vo&G/Hammer,Ba/Nishikawa,Dr/Death-O, Lead-G/不在),ドラマー以外、20年以上振りに 楽器に触ることとなる ・2019年10月、ニューアルバムに向け新曲制作開始 ・2019年12月~2020年1月、レコーディング (Ba/Nishikawaはサッカー負傷による後遺症 でRec直前に参加断念) ・2020年2月、ミックスマスタリング&CD プレス等開始 ・2020年3月15日大阪心斎橋HokageにてHyper Blast Fest Vol1で復活Live、並びに当日レコ発 を行う(尚DrのDeath-OはRec参加希望ながら liveは不参加の形態にてレコ発時にはサポート ドラマーとしてKeisukeを迎える。不在だったリード ギタリストについてはHOJOが3月15日正式加入。 更には今後のライブサポートベーシストとして Shovotaを迎える ・レコーディングゲストとして Sharpen Your Senses, Hone Your Values&Remove Your False SkinにAkira、 Your Side Of The UnknownにTadamitsuの両氏が Gパート参加,BaパートにYosuke氏参加 ・Rec機材についてはYuichi Sato氏のサポートを受ける、 ・ミックス&マスタリングはKenta Morimoto氏を迎える ・アルバムタイトルについて →全てを再構築すること、バンドとしての遺伝子操作、 再録曲についての再構成、これらを含めアルバムタイトル を「再プログラム化・初期化」=「Reprogramming」とした。 ・歌詞内容からアートワークアーティスト(heriansyah氏) へコンセプトを伝え、本アルバムのアートワーク完成